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  • 千島学説との出会い

    昨日は、「赤血球の不思議?」と題して生理学の授業での疑問を書きましたが、これは小学校での体験が少し影響しているようです。

    記憶は、非常にあいまいなのですが、確かクラス全員で近くの公民館に行き、教頭先生が手品や楽しい話をしたり・・・
    そんな時の一コマ。

    「血は、腸で出来ると思う人?」
    という質問に、何の疑問もなく手を挙げたのに、
    「残念でした、血は骨からできます。」
    「えっっっっっ〜」

    全く予想もしなかった答えに驚きました。しかし、先生のいうことは絶対ですから、もちろん血は骨から出来ると信じることにしました。
    ただ、どこか腑に落ちないと感じていたのも事実です。
    そこで、小学校2年の甥っこに、同じ様な質問をしてみました。

    「血は、おなかで出来るでしょうか?骨から出来るでしょうか?」
    甥っこは間髪入れず、
    「おなか!」
    「そうよなあ〜」

    実にこの感覚は正しいと思うのです。
    食べたものが排泄されるまでの間に、消化器官を通り水分と鼻から吸い込んだ酸素を元に血を作る、と子供は感じとり、
    おなかが減り「グルグル」と小腸が鳴るとき、子供はホヤやナマコになり、小腸が体液、血液を作っていると感じているのではないでしょうか?

    動物や植物に成りきっている子供は、割った生卵の黄身についている血に生命を感じ、生命発生の真理をつかみ取っているのではないでしょうか?

    ところが、この素直な感覚が様々な情報にかき消され、次第に大人になってしまい、何か特別なことが無い限り永遠に封印。

    多くの人はこのパンドラの箱を開けること無く過ごすのだと思います。
    私もその中の一人でした。
    そんな私に特別な転機が訪れます。

    2年程前、友人の鈴木敬造さんが身心道なる勉強会を開き、参加することに成りました。
    鈴木さんは、奥様がガンを患われたのを機に、抗がん剤治療、放射線治療以外の治療法でガンと共生する生き方を探し始めました。
    そして探し当てたのが、千島学説

    その勉強会では千島学説を鈴木さん独自の視点で紹介して戴きました。

    その中で、最も印象に残った一場面。

    「ものごとは、相似形。
    樹木が水分と養分を根っこから吸収して、自らの体液・樹液とします。
    これを、相似形としての人間に置き換えると、水分と養分が詰まった小腸での機能が根っこの機能になります。
    消化器官を運ばれた食べ物は、小腸でモネラと呼ばれる物質になり、絨毛で吸収され、自らの体液・血液とします。
    これをイメージする場合、樹木の根っこをソックスと考えて下さい。
    養分を吸収している根っこを裏返しにした状態が、腸の中の絨毛。
    つまり、地中と腸内が裏返しになったと考えると分かりやすいと思います。

    そうすると、モネラという地中に絨毛という根っこがまるで樹木のように存在していることが分かります。」

    ソックスを裏返した絨毛のイメージは、鮮やかに血液は小腸から生ずるという理論と結びつきました。

    これが千島学説のなかの8大原理の一つ、腸造血説。

    ここで、改めて小腸の消化器官における割合を考えて見ることにしました。
    食道から直腸まで約8メートルの内、約6メートルの長さが小腸です。
    消化器官のおよそ80%近くを占める小腸が内臓における大切な機能を任されていることがよく分かります。
    極端に言えば、小腸の働きを促すために他の消化器官が存在していると言えるかもしれません。
    また、小腸には、輪状に飛び出したヒダと絨毛があるため、小腸の表面積は、12畳の広さになります。また、単層の円柱上皮細胞に覆われているため、物質の吸収、分泌には適していますが、容易に壊れてしまいます。
    そのため、絶えず細胞の交換がなされています。つまり、生物と無生物、生と死の行き来が絶えず繰り返されている器官と考えられます。

    そこで、もう一つ。
    からだを覆っている血管を全て真っ直ぐに繋げると、約10万キロメートル。
    地球を2,5周する程の長さになります。
    とてつもない距離になりますが、12畳の広さからなる、小腸から血液を作りだすのならば、不思議ではありません。

    しかし現行の説だと、成人では、最も大きな大腿骨や上腕骨骨髄は脂肪で覆われ、造血出来ず、それらの骨髄以外の骨髄で血液を作りだすことになります。
    はたして、その程度の骨髄で、地球を2,5周する程の血管に送り出すだけの血液を作りだすことが可能なのでしょうか?

    私には、不可能に思えるのですが・・・・

    また、樹木を東洋思想の陰陽で捉えると、地上の幹、枝、葉は陽。地下の根っこの部分が陰となりますが、特に広葉樹の場合、地上の枝葉と同じ範囲で、地下に根っこを張ります。まさに陰陽が相まって、樹の生命を支えているのです。

    人体も樹木の相似形と捉え、陰陽で捉えると地球を2,5周する程の長さになる血管を陽。
    12畳の広さからなる小腸(絨毛という根っこ)を陰と考えることが出来るようにも思うのですが・・・・まあ〜私のこじつけにすぎません・・

    これらのことは、また、医師でもない私にこのようなことを書く資格がないのかもしれません。

    しかし、小学生のような素直な疑問がある限り、私なりに千島学説を咀嚼し、血肉となったところだけを表現してみようと思います。
    明日は、「ウィルヒョウの病理学を否定する理論」と題して、橋本哲学と千島学説を紹介いたします。では また!

    佐伯惟弘

  • 「赤血球の不思議?」

    鍼灸学校に通い始めて半年が過ぎ、ようやく生活のパターンが出来てきました。
    始業時刻が9時30分にも拘わらず、世田谷線世田谷駅5時44分の電車に乗り込み、学校には6時25分頃着くようにしています。
    理由は「早起きは三文の徳」。

    まず、リュックを背負って車内に入れ、しかも座れます。そして、乗換駅の三軒茶屋からは、「東武動物公園行き」という早朝にしか中々お目にかからない電車に乗れます。
    リュックを背負って、「東武動物公園行き」。
    朝から小学生になったようなルンルン気分。
    学校に6時25分頃着くと、物知り掃除おじさんと世間話が出来ます。

    私の大好きな職業の一つは、掃除夫。掃除が苦手な私でも、仕事としてならやっていく自信はあります(宿直の仕事で身につけました)。
    朝早く起き、人の嫌がる便所掃除をして喜ばれ、お金を戴く。おかげで、健康!ホントに良い職業だと思います。

    「世間では、高い金だしてジムにいってる人がいるけど、わたしゃ、
    こうやってからだ動かして仕事して・・・まあ〜朝ご飯の上手いこと!感謝してるね。」
    この言葉を聞くだけで、5文の徳。

    そして60円の紙コップに入ったコーヒーをすすりながら、本を読んだり、勉強したり、最近では、教室のガイコツのデッサンと全く自由に施設を利用できるのです。しかも、一人で。

    丁度、退屈になってきた8時頃になると学生がやって来始めます。そこでは、情報交換。
    同じ1年生で専攻が違う人が多く集まってくるので、同じ教科でも違う先生からの情報が入り、新たな勉強法が見つかったりします。

    もうこれだけで、合わせて10文!

    ちょっとマクラが長くなりました、それでは本題。やはり気になるのは、赤血球

    水曜日の2時間目、新任のA先生が汗をかきながらの熱血生理学。

    血液の組成と働き:

    血液の量は、体重の約1/13(約8%)をしめ、液体成分と浮遊する細胞成分よりなる。
    血液容積の55~60%は、液体成分である血漿。40~45%が細胞成分。

    さらに細胞成分は、赤血球、白血球、血小板に分けられる。
    とありますが、この細胞成分の割合たるや・・・・

    赤血球は、1立方ミリメートルの血液中に、成人男性で約500万個、女子で約450万個存在。
    ところが、血小板は、1立方ミリメートルの血液中に、15~40万個。
    白血球となると、1立方ミリメートルの血液中に、わずか5000~9000個。

    単純に数量だけで計算すると細胞成分の95,2%は赤血球
    血小板は4,7%そして、残りのわずか0,1%が白血球となります。

    授業では、血液細胞数の割合など関係なく、それぞれの血液細胞の働きを紹介していきます。

    特に、白血球は食作用や抗体産生などの生体防御機能をもっていることから、教科書では「生体の防御機構」として9ページも割いてそのシステムの説明があります。

    血液細胞のわずか0,1%に過ぎない細胞にこれだけの時間を掛けて説明するのですから、非常に大切な細胞には違いありません。

    しかし、血液の最も大切な働きは物質の運搬であります。
    そのため、血液細胞の95,2%を赤血球が占め、赤血球のヘモグロビンが肺から酸素を、からだの組織細胞へ運び、組織細胞から二酸化炭素を肺へと運んでいるのです。

    また、「赤血球の新生と寿命」という項では、血球の分化の主要過程という図がページの2/3を割いて載っています。

    その頂点に位置するのが、骨髄の幹細胞。

    そして、とんでもなく複雑な工程を経て赤血球やリンパ球、白血球になっていき、行き着くところは95,2%を占める赤血球になります。

    しかし、繰り返しいいますが、教科書では、わずか0,1%にしか過ぎない白血球が最もたいせつな細胞のように取り扱われています。

    少しうんざりするかもしれませんが、その工程を簡単に記載します。

    骨髄の幹細胞を頂点に、骨髄系幹細胞と、リンパ系幹細胞に分かれ、骨髄系幹細胞はさらに、

    単芽球→単球。
    骨髄芽球→好中球、好酸球、好塩基球と3種類。
    巨核芽球→巨核球→血小板。
    前赤芽球→赤芽球→赤血球となり、この過程で核を消失。
    リンパ系幹細胞はリンパ芽球→T細胞、B細胞。

    このうち単球、好中球、好酸球、好塩基球T細胞、B細胞が白血球に属し、残りが赤血球と血小板となります。

    何とも複雑で大変な分化です。

    骨髄の幹細胞を頂点とし、ピラミッドのように底辺を作っている教科書の図を眺めていると、とてつもない歪みが見えてきます。

                  ー赤血球が左のピンクマークー

    細胞成分の95,2%をしめる赤血球が、ピラミッドの左隅に小さく描かれ、4,7%の血小板がその横。

    そして、わずか0,1%の白血球が2/3以上紙面を割いています。
    これでは、赤血球より白血球の割合が多く感じてしまいます。しかし何度もいいますが、白血球は細胞成分のわずか0,1%にしか過ぎないのです。

    もっと普通の言い方をすると、血液細胞のほとんどは赤血球で、まれに白血球を見ることが出来る、くらいでしょう。

    また、核のある幹細胞が前赤芽球など5種類の細胞に分化し、最終的に8種類の核のある細胞が生じる複雑な行程をたどります。
    しかし、その複雑さの割には、「血液細胞のほとんどは核の無い赤血球」という単純さが不可解です。

    また核がある幹細胞がなぜこんな複雑な過程を経て、わざわざ赤血球の核を無くすのでしょう?

    それは細胞が核分裂して増殖するという仮説に従っているからです。

    つまり、核がなければ細胞分裂できず、赤血球が出来ないわけです。
    ところが、これはあくまで仮説です。
    もし、核分裂しなくても細胞が増えることを確認できたらこのような複雑な分化の仮説はなくなります。

    また、赤芽球から赤血球になる時に核が消失しますが、その行方が定かではありません。
    血液細胞の95,2%もしめる赤血球の核が老廃物として血漿内を浮遊しているのでしょうか?
    これも極めて不可解。

    そして、赤血球はわずか120日の寿命とあります。
    となると、骨髄での赤血球の産生は猛烈な勢いでなされるはずです。
    とにかく血液細胞の95,2%が赤血球なのですから。

    ところが、人の成長とともに長骨(大腿骨や上腕骨)の骨髄には脂肪質が増えていき造血能力が低下し、 成人になると血液を造る骨が胸骨・肋骨・骨盤・脊髄などに限られるようになるとされています。
    血気盛んな若者の長骨骨髄が脂肪で満たされ、血ができない!

    もっと素朴な疑問は、造血している骨を切ったら溢れかえるほどの血がでてくるの?絶対出てきません。これまた不可解。

    また、最も大きな長骨の大腿骨から、大量の赤血球を運搬する血管は何本あるのでしょうか?

    私は解剖学の授業で、B先生に質問してみました。

    答えは、3~4本でしょうとのことでした。

    これは、実に驚きです。
    果たしてこれ位の数で、運搬がまかなえるのでしょうか?
    もしもこの血管が1本でもつまったなら、大変なことになります。
    しかし、「骨髄から出る血管の障害で生命を落とす」などと聞いたこともありません。
    もし、骨髄で赤血球を産生するならば、何十本もの血管が大腿骨から出ていないと、不自然に思います。
    もっとも、大腿骨から何十本もの血管が出ていることの方が、不自然ではありますが・・・

    骨格はあくまで支持・運動・保護機能が主な働きで、造血機能は特別な場合のみ営まれるのではないでしょうか?
    特殊な状態に置かれた場合に造血されるなら、3~4本の血管で十分です。

              ー円盤状の数多くある細胞が赤血球

    ここに赤血球と他の細胞の写真があります。

    この写真を6~7才の子供に見てもらい、
    「赤ちゃん細胞はどっちだと思う?」
    と尋ねたなら、ほとんどの子供は
    赤血球!」
    と答えるに違いありません。
    見るからに初々しいからです。これが核を無くしてしまった古い血液細胞だとはとても思えません。
    もし、血液のほとんどを占める細胞・赤血球が古い細胞だったら我々は生き生きと生きることが出来るのでしょうか?

    非常に素朴な疑問が湧いてきます。

    以上が生理学と解剖学の授業で感じた「赤血球の不思議?」です。
    明日は、私がこのような疑問をもつに至った千島学説との出会いを話したいと思います。

    佐伯惟弘

  • 臨床家による操体セミナー

    先週のシルバーウィーク最終日・9月23日(水)に千葉行徳のゴールドジムで<臨床家による操体セミナー>が行われました。
    東京操体フォーラム主催によるもので、臨床家である実行委員が、一般の人々を対象に開いたセミナーです。
    そのセミナーの翌日、参加して戴いた鍼灸学校の女学生から、次のようなお言葉。

    「佐伯さん、操体は奥が深くて一生かけて勉強するものだと思いました。だから、私はまず学校を卒業して、それからゆっくりと学びたいです」
    また、
    操体をされている方々の顔が、生き生きしていてホントに素晴らしい!」との声も。

    ちょっと自画自賛ですが、よくもまあ、こんなに才能がある若手が集まってきたものだと、感心するほどのメンバー(私は、今年55才。残念ながら古手)です。

    今後、このセミナーから発信する波動がさらなる若手発掘の
    機会を増やしていくことは間違いありません。益々面白い展開になってゆく予感でワクワクしてしまいます!
    と最後に言うべきことを思わず喋ってしまうほど充実したものでありました。

    それでは、このセミナーの様子を9月23日(水)に戻って覗いてみましょう。
    9/23
    13:15
    実況中継:「あっ、ムラサキ色をしたセーター姿の華奢な男性が、猛然と毛深い男性に突っかかっております。
    華奢な男性の年齢は推定61才。
    毛深い男性は、ガッチリした体型で<氷川きよしの歌が上手、特にズンドコ節>と顔に書いおります。

    ぶっ飛んでおります、毛深い男性!また、飛ばされた!!
    どうしたことか、毛深い男性、飛ばされるたびにニコニコ笑っております。
    少し変な性格かもしれません。解説の平さん、今の技は・・・?」

    平解説者:
    「見事な一本背負いです。続いて小外刈り」

    「またもや・・今度は毛深い男性、上に乗られているようですが・・・」
    平解説員:
    「あれを袈裟固めといいます」

    「なるほど、あれが有名な袈裟固め・・・しかし、あまりにも一方的な展開に、観客の皆さんも唖然としておられますが・・・」
    平解説員:
    「・・・・・・」

    「あっ、試合が終わったようです。ムラサキ色の推定61才の男性にお話を伺ってみましょう!お強いですね〜」

    ムラサキ色の男性:
    「武道は、年を取るほど上手くなるものだ。
    それと、若い頃オレは先鋒でよ、負けると下の毛剃られたもんだ。だから強くなったんだ!!」

    「なるほど、強さの秘密がやっと分かりました。どうもありがとうございました」

    13:30
    ムラサキ色のセーターが素敵な三浦先生が中央。実行委員10名が、先生を三角形の頂点とするように囲み、般若身経(身体運動の法則)のビデオ撮り。
    会場のゴールドジムは、つるつるした黄色のマットが敷き詰められ、歩くと気持ちがよく、思わず柔道をしたくなるような環境です。
    広さは150畳位あるでしょうか?壁の一面は鏡張りになでっており、自分自身の姿を見ることが出来ます。
    まるで、コーラスラインの役者になった感覚。
    三浦先生のかけ声の下、ゆっくりと調和のとれた般若身経が出来上がりました。この映像をYouTubeでご覧になれます。

    http://www.youtube.com/watch?v=UA0QASrTQvU

    14:00
    畠山裕美常任理事による、操体解説。
    畠山理事は、三浦先生が、女性日本一の操体プラクティショナー操体法操師)と認める実力の持ち主。
    まずは、からだの硬い男性に2人モデルになって戴き、両足を揃え膝伸ばしの状態で前屈。
    なるほど、床に手をつけることができません。20センチ位は離れています。それを、身体運動の法則に従った前屈を2回するだけで、10センチ程前屈が深くできるようになりました。

    「だから、無理矢理に柔軟体操する必要はありません。身体運動の法則に従った動きをすれば、からだの柔軟性を獲得できます」と説得力のある解説。

    そして、自力自療の説明。
    操体で言う自力自療とは「本人」にしかわからない感覚をききわけ(自力で診断・分析)、味わう(自力で治療)ということであり、感覚のききわけを行うのは「本人」。
    そのため基本的には一人でやろうが介助者あるいは操者がいて、二人でやろうが、今回のようにセミナーに於いて数十名でやろうが、自力自療。

    続いて、平直行相談役から感覚に関する独特の話。
    平相談役は、総合格闘技の寵児として活躍され、様々な分野に影響を与え続けておられます。

    超人気漫画「グラップラー刃牙」のモデルとしても有名。著書には、「平直行の格闘技のおもちゃ箱」(福昌堂)があり、年内にBABジャパンという出版社から、「格闘技から武術への気付き」というタイトルの本が出版されます。これは、操体をはじめとする様々な日本文化の底流にあるものを平相談役の豊かな感性で書き上げ、それと武術との関係を想像力豊かに描いた異色の本です。
    この本のイラストを平相談役のご厚意により、私が担当。
    楽しい絵を10枚程描きました。平相談役の鋭く優しい感覚の文体にマッチしたものになっているはずです。

    格闘家として、ご自身のからだと向き合い感覚を高めておられた平相談役。自然の法則に従う操体に出会うことで、益々感性を磨くことに。
    そこには、平相談役独自のからだ管理法が存在しているように思えました。

    前日行ったご自身の操法を、岡村理事に介助してもらい再現。
    すると、平相談役のからだに、いきなり快適感覚のスイッチがオン。気持ち良さに委ねた無意識の動きが始まりました。

    私も、自身の皮膚に触れ無意識の動きを導き出すことは、ある程度できます。しかし、平相談役のようにスイッチは早くありません。

    生死を賭けて瞬時に状況を感じ取る訓練をしていると、常人では出来ない切り替えスイッチがあるはずです。
    平相談役にはそれがあります。そのため、前日に行った操法の感覚に瞬時にトリップし、操法に入れるのです。

    参加者の方々は、一体何が起こっているのだろう?と興味津々・・・この操法が、最後に三浦先生指導で、岡村理事介助の操法への伏線となっていったように思います。

             

            ー平相談役岡村理事

    15:00
    さて続いて、若手男前集団の般若身経の時間!

    辻知喜実行委員が進行役で、般若身経の解説をして行き、西田尚史実行委員、中谷之美実行委員がモデル。秋穂一雄理事が総監督といった役割分担で、立位における前屈、後屈、左右側屈、捻転をモデル二人にしてもらい、そのあと参加者全員で行いました。

    参加者は60名程。残りの実行委員と三浦理事長が個々に指導するという操体初体験の方々にはとても入りやすいプログラム。

    指導しながら感じたことは、畠山理事が指摘していましたが、恥骨が後ろにいき(操体では後弯曲といいます)胸が張り出す傾向が、格闘技をしている男性に多く見られたことです。
    この状態だと、重心が拇趾球にいかず、踵に近づきます。また意識も臍下丹田には行かず、胸郭辺りにいってしまします。

    恥骨を若干前に出すと、骨盤が前弯曲し、力みのない安定した立位になりスムーズな重心移動ができます。このことをもう少ししっかりと指摘すべきだったと反省しています。

    まあ〜それはさておき、参加者が熱心で、三浦理事長の大きな声がこだまする会場の雰囲気。それはそれは、心地のよいものでした。皆様どうもありがとうございました!
    16:00
    さて最後の1時間は三浦理事長
    まず岡村理事秋穂理事と、一般参加の男性3人(全員右利き)にヤンキー座りになってもらい、左足に重心を置いて起き上がる場合と、右足に重心を置いた場合の違いをききわけてもらいました。
    すると、一般参加の男性だけが、右足の方が楽と言い張ります。
    う〜ん、シナリオ通りにいきません。本来なら、右利きの人は左に重心軸がずれているため、左足に重心を置いた方が楽に立ち上がれるはずなのに・・・・

    そこで、三浦理事長は、
    「全体重を左足にかけて起き上がって見て下さい」と極端な指摘。
    それで比較した結果は・・・・左足!
    私の勝手な憶測では、この男性は大柄で太ももが大きかったため、ヤンキー座りで右足に重心を置いたつもりが、苦しい姿勢のため、起き上がる時、重心が左に移動したのではないかと睨んでいます。

    この「右利きの人は左重心」に関して「重心軸を正中線に矯正できないものか?」「左右使える人で重心軸がぶれていない人はいるのか?」など、明快な質問があり、

    三浦理事長は、「あえて重心軸を矯正する必要はなく、感覚をききわけることで調和すればよい。また、本来右利きの人が、左手を使っても重心軸のぶれはある」と返答されました。

    今回、参加者の多くは操体初心者であるにも拘わらず、いきなり、「芸術だと思って、臨床をしている。そして、治すことに関与することなどは、下の下である」、こんな話が飛び出しても、違和感なく進行していったことに三浦理事長の凄みと誠実さを感じました。

    また、実行委員も教わっていない最新の呼吸法を、初心者がほとんどのセミナーでオープンにお教えする姿に参った!!であります。
    その呼吸法とは・・・・誠に残念ですが、まだお教えするわけにはいきません(もう少し時間をいただきます)。セミナーに参加された方は、ホントにラッキー!

    ただこの呼吸法で般若身経を行った充実感、安定感は最高でした。これからしばらくは、この秘法で般若身経に臨みます。

    終了間際に、三浦理事長の指示により、ジムのメンバーらしき男性を患者とする臨床(膝の左右傾倒、膝の伸展、肩甲骨の押し込み)を行ないました。

    岡村理事が臨床の介助。患者の左膝窩、右肩甲骨にあった圧痛硬結が操法後どちらも解消。
    3時間のセミナーを締めくくるにふさわしい10分間。
    かたずを飲んで見入っている参加者の表情が印象的でした。

    セミナー無事終了後は、韓国料理屋で打ち上げ!
    操体の未来を熱く語り、それはそれは、美味しい料理とお酒でした。めでたし、めでたし!

    佐伯惟弘

  • 操体庵ゆかいや物語(24)

        
    今昭宏先生に続いて一週間担当いたします佐伯です。おつきあいの程、宜しくお願いいたします。
    今先生の心温まる文章のあと、直球しか投げられないガチガチのピッチャーが再びやってまいりました!
    今までの暖かい雰囲気をいきなりぶち壊してしまうようで・・・・申し訳ありません。
    今回は、超スローボールの連投めざして頑張ります!

    東京生活も半年程過ぎ、世田谷の下町に馴染んできました。

    「はい、いらしゃい!安いよ、安いよ」
    「おやじさん、声に張りがなくなってきたね!」
    「な〜に言ってんだよ、バカ」
    こんな会話が心地よくからだに響くようになってきました。
    そんな中、第1週と3週の日曜日をはさんで、土曜日、月曜日の合計6日間は、京都で操体施術を行っています。

    「それ、よろしおすなあ〜」
    「そうでっか」

    このギャップが何とも痛快であります。
    同じ日本でありながらこの響きの違いに、歴史・文化の大いなる差違を感じ、また古(いにしえ)と現在の都を行き来できる環境に感謝している次第です。

    京都でのクライアントの中に80才を超えてなお現役女医の方がおられます(A先生といたしましょう)。このA先生から学ぶことがたくさんあります。
    豊富な臨床経験と知識をお持ちであるにも拘わらず、施術の間、そんなそぶりは全く示されません。うぶな子供のような態度で私に患者として接してくださいます。
    皮膚にはその人の生き様が映し出されるのでしょうか?つるつるとしていて張りがあります。

    あるとき、逃避反応を診ようと、つるつるの肌をした三陰交あたりをいきなり触診したことがありました。
    予想通りの反応があり、得心していると、
    「私なら、いきなりそんな触れ方はしませんよ」
    と目をつぶりニコニコ笑いながらおっしゃるのです。
    そのときは、
    「はあ〜、そんなものか・・・」
    とあまり深くも考えず、ただ言葉をこころのどこかに仕舞い込んでいました。

    ところが、鍼灸の専門学校付属施術所で、週1回施術を受ける様になり、A先生のおっしゃる意味が分かるようになってきました。
    そこでは、施術者が懇切丁寧に取穴、刺鍼の箇所を言葉で指摘し、指頭で確認し施術します。これは、施術者として当たり前の行為であり、身についていなくてはなりません。特に、初めての患者に対しては細心の注意を払わなくてはなりません。
    患者の立場になって、ようやくこのことに気がつき、未熟な施術をしていた自分自身に恥じ入ったのです。

    こんな学びの場である京都施術では様々なことが起こります。
    つい先日のことです。

    「ゴメンなさい、急にゆるりのお手伝いをすることになったので・・・・明日は申し訳ないのですが・・・」
    「そうですか、はい、分かりました」

    という明日の施術、ドタキャンの知らせ。
    ここで出てくるゆるりとは、私の友人・梅棹マヤオ、美衣夫妻が経営するレストラン。ご自宅の茅葺き民家を昼食限定、完全予約制にしている素敵な空間です。興味のある方は下記のホームページをご覧下さい。

                ー葺き替え中のゆるりー

                http://www.umesao.com/
    ゆるりの手伝いなら仕方ありません。空いた時間をどうしようか考えていたとき、「急患で申し訳ありません。明日、診ていただけないでしょうか?」とメールで予約が入ってきました。不思議なものです。

    そこで翌日、その方(Bさんといたします)を診ることになりました。
    Bさんは、20年間食堂の店長をされていた50才後半の女性。過去に椎間板ヘルニアの手術経験があり、今回は3日前にぎっくり腰。私にとって初めてのクライアントです。

    仕事を辞め、新たに保育園で保育士の補助をし始めた矢先に、腰をひねってしまったようです。
    「また、手術をしなくてはならないと思うと・・・涙がでてきて・・・」とかなり落ち込んでおられます。

    立位で、前屈が全くできず、左側屈をすると右腰背部に痛みが走るといった状態。このようなクライアントのからだは、動くこと拒みます。その場合は、皮膚に問いかける渦状波(第三分析)の操法が効果的です。なお渦状波に関しては、操体臨床の要妙 三浦寛著―たにぐち書店 222ページを参照して下さい。

            ー施術を行った大徳寺・玉林院の茶室ー
    まず一番楽な姿勢になって戴きます。Bさんがとった体勢は伏臥位。気になったのが、右足の足底。血色が良くありません。そこで、ゆっくりと触診していきます。すると足底の最陥凹部、経絡でいうと湧泉(ゆうせん)のところ、それから第4趾中節骨に逃避反応がでるほどの圧痛点。

    そこで、この2箇所に皮膚に問いかける渦状波を10分ほど。圧痛点消失。
    その次は、仰向けがいいとのことで、仰臥位。両膝1/2屈曲位にして膝の裏を触診すると、ゴリゴリするほど大きな硬結。また腓骨とアキレス腱の間にも圧痛点。この2箇所に渦状波。7~8分。硬結が緩み、圧痛点も消失。
    今度は、横になりたいとのことで、左肩を下にして側臥位。胸椎の5番、6番、7番の並びが悪く、全てに圧痛点があります。とくに第6胸椎。
    そこで、第6胸椎に渦状波を10分程度。胸椎の並びが良くなりました。
    最後は、側臥位のまま、首の周辺を触診。第2頸椎棘突起上縁の高さで、僧帽筋外側の陥凹部(経穴では天柱)に圧痛点があり、渦状波すること7~8分。
    これらの施術時、からだ全体が温かくなり、軽い感じになったとの事でした。

    ゆっくり起き上がって戴き、操法後の可動領域の変化や、痛みの有無を調べることにしました。
    まず左側屈。右腰背部にあった痛みは消失、可動領域も大きくなっています。
    続いて前屈。ところが痛みは相変わらずあり、前屈出来ません。
    そこで、四つん這いになって戴き、ゆっくりと目線をおへそに通しながら、前屈姿勢をとって戴きました。
    前屈姿勢をとると痛みを感じるのですから、当然

    「あっ、痛った!」

    そこで・・・・・・・・・とある操法を始めたのであります。
    すると、
    「あれ?気持ちいい」
    今まで、「暖かい、軽くなった」などの感覚はあったものの、
    「気持ちいい」という感覚・言葉は初めてでした。
    10分くらいでしょうか、気持ち良さを味わって戴きました。この間、私の左手掌はBさんの腰の上。そのため腰内部からの動きが伝わってきました。美しい表現ではないのですが、まるでウジ虫の群れが這い回っているような、モゾモゾした蠕動運動。
    ウジ虫の群れが退散してしまった時に、操法は終了しました。

    もう一度、Bさんに起き上がって戴き、前屈してもらいました。
    「あれ!?できる!」

    多少、引っかかりはあるものの、前屈出来るようになりました。めでたし、めでたし。
    さあそこで、私の取った操法とは?

    残念ながらこれは、まだお教え出来ません。年内か、来年には操体臨床の要妙 パート2 三浦寛著―たにぐち書店 

    が発刊されます。それにはこの操法が掲載されておりますので、興味のある方は是非とも購入されることをお勧めいたします。

    また、今回のようにぎっくり腰で施術を受けられる方には、天然自然の法則である、身体運動の法則をお教えする必要があるのです。つまり、日常生活において、重心安定、重心移動をどのようにすればよいのか?そのことをお教えすると、
    「そういえば、私、テレビを横になって顔だけ立てて見てるわ!」などど、日常生活の一コマ、一コマに向かい合うようになります。このことが、非常に大切。Bさんの第5~7胸椎の歪みは、横になってのテレビ観戦にあったようです。

    そのためにも、操体施術者は皮膚に問いかける渦状波(第三分析)の操法以前に、身体運動の法則を自分のものにし、動きの操法である、第二分析を習得しなければなりません。
    このことは、操体を勉強する上での原則であることを肝に銘じて於いて下さい。

    やっぱり、直球を投げてしまった・・・と悔いる佐伯でした。
    では またあした!

    佐伯惟弘

  • それぞれ

    この連休に前回ブログに私が書いた神人さんの
    講演会が仙台でありまして初めて参加してきました。
    神人さんはシンガーソングライターでいて講演もやり、
    シャーマンでもあるんです。

    講演会ではいろんな話を教えてくれます。
    見える話から見えない世界の話までいろいろです。

    そんな中で教わったこと。
    若干私の言い回しも入れて書いてみます。

    みんな
    それぞれ何かを学ぶために生まれてきた。
    それぞれに違う役割を担っている。
    それぞれが愛され認められたい。
    それぞれ違う想いと考え方をもっている。
    それぞれは進化してゆく過程である。

    一週間ありがとうございました。
    さて、来週はみなさんお待ちかねの佐伯さんです。
    お楽しみに!。

  • 三軸操体

    「三軸操体」というのは、私が池上先生の三軸修正法
    と橋本先生の操体法を合成して提案した仮説です。
    三軸操体については20年位前からあれこれとためして
    みてわかったことをちょこちょこと書いてきました。
    今治療室ホームページの中でも詳しく紹介されていま
    すし、「楽しくわかる操体法」共著、医道の日本社
    にも少し紹介されていますのでたぶんみなさん知って
    いると思います。

    確か二年前の東京操体フォーラムのときにも発表させ
    てもらいました。
    最初はちょっと難しい感じがするかも知れませんが、
    慣れてくるととても便利な考え方です。

    先月「三軸操体」というDVDを発売させてもらいました。
    「見える動き」と「見えない動きの感覚」のハザマで
    見え隠れしながら快適な動きへの道案内をしてくれる
    のが三軸操体です。
    もし興味がある人は↓ここにサンプルもありますので
    ご覧ください。
    http://soutai-kon.com/dvd/dvd02.htm
    操体という大皿の片隅に三軸操体があります。
    三軸操体DVDは、医道の日本社ショールームや
    たにぐち書店でも入手できます。
    なんかおもいっきり宣伝になってしまいました。
    すみません。

  • 人差し指

    そういえば又おもしろいことを思い出しました。
    足ゆらしを終えてぴたっと納めているときに無意識の
    動きをみせたおばさんのお話です。
    そのおばさんは、右肩凝りが主訴だったのですが、
    足ゆらしがぴたりと納まった瞬間に、右手の人差し指だけが、
    ピクピクッ、ピクピクッと震えるように動きだしたんです。
    二分位ずーっとそれが続いたんです。
    それで私が「右手の人差し指が動いていましたねー」と
    言ったら、「ええー?」とおばさんは気づかなかったらしく、
    びっくりするんです。
    眠っていたわけではないんですよ。
    目は明いていましたから。
    動いていることに気づかないんです。
    無意識の動きって、不思議ですね。

  • かんじゃさんが飛んだ?!

    足裏の皮膚の操法を書いていておもしろいことを思い出しました。
    すごくびっくりしたので覚えているんですが、二ヶ月ぐらい前
    にいらした治療家の男性患者さんに同じように皮膚の操法をやった
    んです。
    そしたら、彼、足裏の皮膚に触れた瞬間に飛んだんです。

    ま、空を飛んだわけではないですけどね。
    ベットからポーンと吹っ飛んで行って、床にうまいこと着地した
    んです。
    私もこういう患者さんは初めてだったので、びっくりして
    「どうしたのー?!」と聞いてみました。

    「いやー、びっくりしました!」と私よりびっくりした顔で彼、
    「足の裏からボーンと何かで飛ばされた感じなんです」

    「ええっ!、触れただけなのにぃ」
    「静電気かなんかでビッとなった感じ?」と私。

    「いや、そういう感じではないんです」
    「電気じゃなくて、なんかのエネルギーがボーンときて、
    弾き飛ばされた感じです!」

    「へぇー、そうなの」

    「すごいパワーですね先生は!」

    「そんなパワーなんてないよ私は」

    「でもよく飛んだねー」

    「はい飛びました!」

    おもしろかったので、「もう一回やってみようか?」

    となって、また同じようにやったら、また飛ぶんですね。
    よーく観察してみると私が足裏に触れる以前に、「おおっ!」
    とかいって飛んでゆくことがわかってきまして、
    触れるちょっと前に何かが起こっているみたいです。

    二回目以降は条件反射かも知れないです。
    でも彼、私が触れるところは見えていないからなー。

    こんな感じで何が何なのかはわからないのですが、
    飛んだ後はからだもいい感じになるとのことだったので、
    これはこれでよしとしたのでした。

    つづく。

  • 先天性股関節脱臼のひろさん3

    なんとなく私はひろさんの両足裏の母指球の外側のあたりに
    両手の母指を軽く当ててみました。
    「ここはどんな感じですか?」

    「はい、なんともないです」

    「ちょっとずらしてみますから感じをつかんでみてくださいねー」
    「これが上、これが下」

    「下がいい感じです」

    「はい、では味わってくださいねー」

    15秒程したら、グワングワンと上体が今度は縦に揺れ動き始めました。

    「今度は縦揺れですねー!」
    私が言う前にはるちゃんが笑って言いました。

    「これもいい感じですか?」

    「はい、なんか不思議ですけどいい気持ちです」

    「動きはからだに任せて、しっかりと味わってくださいねー」

    グワングワンぐわ〜んぐわ〜んと、からだが何かから開放され
    たかのような感じで動きます。

    「無意識の動きはバランスを整えるんですね」

    「気持ちのいい動きを味わうと良くなるようになっているんだ
    けども、患者さんて頑張りが足りないから治らないんだなどと
    考えて頑張りすぎてしまうんですね」
    「気持ちよくがんばる程度で間に合うんだけれども、欲張って
    威張りたいとか人に認められたいとかいう気持ちが強過ぎると
    ヒドイメに合うようになっているみたいですよ」

    などと話をする私。

    ひろさんは「なるほどねー」と納得。

    五分程縦揺れを楽しんだからだは、満足したかのようにベットに
    静かに落ち着いて脱力しました。

    私はそっと手を離し、
    「少しそのまま余韻を味わっていたいですよねー」
    「起きたくなったら起きてみてくださいね」

    「はい」

    一分位してひろさんは起き上がってベットに腰掛けました。

    背中に背負っていた重い荷物が消えてなくなったような
    感じがしました。

    つづく

  • 先天性股関節脱臼のひろさん2

    からだが横にびくっ、びくびくっと、動き出したのです。

    「おお、動き始めましたねー、止めないようにして味わって
    いてくださいよ〜」
    「おもしろいでしょう、気持ちよさがスイッチになって、
    からだが自分で調整を始めるんですね〜」

    するとどんどん大きく痙攣するかのように動き出しました。
    どんな動きをするのか予想はできません。

    「横揺れですね〜」私は軽く皮膚に触れながらそういいました。

    はるちゃんは椅子に腰掛けて
    「私はもっとすごかったですよねー」と、
    それを見て少し笑っています。

    「そうでしたねー」

    「これ、知らない人が見たら異様な世界ですよね〜」と私。

    びくびく動きながら不思議そうな顔で少し笑うひろさん。
    ひろさんのからだはおもいっきり低周波の電気でもかけられて
    いるような感じで動きつづけています。

    「からだってすごいですよねー、こんな風にして自分で自分の
    バランスを整えるんですからねー」

    「はい」びくびく動きながら答えるひろさん。

    「調整が終わるとこの動きも自然に止まりますから、しっかり
    味わっていてくださいねー」

    「この動きは気持ちがいいですか?」

    「はい、なんかいい感じです」

    「やっぱりねー、味わっていてくださいねー」

    五分くらいびくびく動いたでしょうか、少しずつ振動が
    収まってきてぴたりと止まりました。

    私は触れている手をそっと離して「不思議ですよねー」
    と言いました。

    次に私は足の方に行き、足裏の皮膚の操法にとりかかります。

    つづく