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  • 独白3

    やがて結婚しました。

    「男というものは、おのれの情熱の矢をつがえて曠野を駈けている狩人のようなものじゃとわしは所存している。どの男も、さまざまな曠野の風景を夢にえがいて生きている。おなごというものは、その狩人を檻に入れる天の役人であろう。いかに巧みに檻へ入れるか、そこは、おなごと男の才覚のたたかいのようなものではあるまいか」
    梟の城

    「女がその美貌をまもるように、男はその精神の格調をまもらねばならない」
    と、奥州に居たころ、例の狐曇居士がおしえてくれたことがある。
    剣を学ぶのもその格調を高めるためであり書を読むのもその格調を高めるためである。と、狐曇居士がいった。
    「男はそれのみが大事だ」
    と狐曇はいった。
    「北斗の人」

    司馬遼太郎

    最初は、この様に眦を決して、日々事に臨んでいた訳ですが、現実は厳しかった・・・

    山野真二

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 独白2

    最初に就職した施設では、40歳代から最高齢106歳に至る患者さん達120余名に直接・間接に接する日々を送っていました。それらの人生の大先輩達が異口同音に口にされる言葉が、

    「余念なく家業に精を出し、たとえ貧しくとも三度の御飯がいただけ、女房や子どもたちをいつくしむ・・・ま、人間の一生、人間の世の中というものを、どこまでもつきつめて行くと、たったこれだけのことなのですね。ところが、なかなか、これだけのことがうまくはこんで行かない」
    「その男 二」

    池波正太郎

    の様な内容なのですね。
    これを私は、自分への贈り物(メッセージ)として受け止め、今日まで大事にして生きて来ました。

    山野真二

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラムin マドリード」開催。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 独白1

    つい、うっかり、ブログの順番が近づいて来ているのを忘れてしまっていた。今回は、自分の好きな言葉を巡りながら、「来し方」を辿ってみたいと思います。

    青春時代は、

    深く生きた時間をもつことは、人生の大きな財産だと思うんです。ほかのものはまたいつ奪われるかもしれないけれども、深く生きた時間はだれも奪っていくことができない。自分のなかだけに残っているわけですからね。
    「午前八時の男たち」

    人生の成功は、どこに行ったというんじゃなくて、どういう旅をしたかっていうことですね。
    「プロフェッショナルの条件」

    城山三郎

    という感じの考えで生きていました。

    山野真二

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラムin マドリード」開催。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • つながってるかんじ

     訪問の仕事をしていて思うことがあります。それは生きるうえで、「つながってるかんじ」がいかに大事かということです。

     介護老人福祉施設に入居の90才の女性(Eさんとします)を週に一度みさせていただいております。
    Eさんは、廃用性萎縮でほぼ寝たきり、食事は食べる気力がないため胃ろうになり、会話も徐々にしなくなられました。
    私が伺う時は、皮膚への接触で二つのイノチがつながっている感じを臨床で味わい、返事は返ってこなくとも、からだにはどんどん話しかけてみています。最近では、足趾の操法、皮膚への問いかけに、からだは快の反応を示してくださり、施術を重ねるごとに特に胸郭、顎関節の歪みが自然なかたちに変化してきました。
    施設の中にも東洋医学を学ぶ方がおり、暇を見てはお灸やマッサージなどをしてくださっているとのことです。寝たきりの生活でいながらも、皮膚はつやつやで、健康さを感じさせる毎日を送られています。誤嚥の危険性も驚くほど減りました。

    そんな中、月に一度の割合で「なんだか今日は筋肉の質が違う」「イキイキしている」と感じる日があります。施設の方にそれを報告すると、たいてい前日に親戚の方が面会にいらしている日に重なっていると教えてくださいました。看護スタッフは「遠い親戚だから仕方ないけど、もっとこまめに会いに来てくれれば、もっと元気も(リハビリを)やる気もでてくれるんだけど」と残念そうに話されていました。

     件の50代の甥御さんに、私もお会いしたことがあります。彼が一生懸命話しかけているのですが、彼女の反応はやはり薄い。「いつも会話はそんなにできないのですが、何か私にできることはありますか?」と問われ、その時は「とにかくそっと触れていてください。気持ちがいいと感じられるとからだも安心すると思います」というようなことを話した気がします。
    その後は不器用そうな手つきでわしわしとマッサージされていたような気もしますが(笑)、なんだか甥御さんの「何かしてあげたい気持ち」が伝わるような気がして、こころが和んだ覚えがあります。

     そしてその次の日には、Eさんのからではちゃんと応えてくれるのです。それは自分に所縁のある人とつながってることの喜びをからだがちゃんと味わっているからなのではないでしょうか。

     「つながっているかんじ」は、歪み、混乱、無秩序の状態から、調和、安定、パワフルさに導いてくれます。つながっていることを表現するのは自然の法則に適っていると思います。
     反対に、否定的な言葉を使う、感情にまかせて暴言を吐く、無視をする…。つながることから遠ざかることをすれば何が生まれるかを考えればやってはいけないことも自然とわかるのではないでしょうか。

    近所の人に笑顔で挨拶する。

    数人で楽器を演奏して一つのハーモニーを楽しむ。

    単身赴任先で子どもの写真をみる。

    困っている人に、「私はここにいますよ」という安心感を渡す。

    日記をつけて自分とつながる。

    からだの声(感覚)に耳を澄ませて、ききわけた気持ちのよさを味わう。

    呼吸や意識をとおして、からだ、イノチとつながる。

           ・
           ・
           ・

     人は基本的には一人です。孤独でいなければいけない時もあります。けれども、大切な人と、そして自分と「つながっている感じ」を味わうと、もっとハッピーになれると思います。
    方法はいろいろありますので、お家で、会社で、友達に、思いついたことを今ここですぐ!実行していただきたいですね。

     マドリードはフォーラムが始まったようですね。
    操体を通して、橋本先生の想いが参加者の皆さんとつながりはじめました…。

    では、1週間のおつきあいいただきありがとうございました。

    山野さんにバトンをつなげます。
    明日からよろしくお願いいたします。

    森田珠水

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラムin マドリード」開催。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 書き写す

    ある日の勉強会のことです。
    三浦先生が「そういえば橋本先生の本を書き写してみろ、っていったのはどうした?」とおっしゃいました。

    …どき(汗)。
    確かに一年半前、三浦先生が橋本先生から写本を勧められたお話を聞いて私も始めたものの、
    1/7あたりでストップしておりました。
    ―スペインからチョークが飛んできそうです。

    三浦先生の写本をされたお話は以下の「私が東京に出ること、その師の心」にあります。
    http://d.hatena.ne.jp/tokyo_sotai/20080522

    ちょっと焦って私も書き写すのを再開させました。代田文志先生の「鍼灸の基礎治療学」も「正体の歪みを正す」も500ページちょっとの写しがいのある厚さです。

    それでも、今書き写してみると、以外にも1年半前とは違う感触がありました。
    確かに手で書くことは、ただ読むよりも橋本先生の想いがからだで感じられる
    と、思っていたのですが、「感じたつもり」くらいのものだったようです。

    それは、橋本先生が繰り返し医学界に操体を伝えつつも、なかなか理解してもらえなかった様子が、三浦先生の操体を追求しつづける姿と重なる瞬間があったからです。
    また、著書で橋本先生が指導する方法が三浦先生の姿に重なるなど、私なりに感じ方が変化してきました。

    私の師匠は三浦先生と畠山先生、の2人だったのが、今はそのうしろに、お会いしたことのない橋本先生の姿がつながっている感じがあります。
    不思議なことに、そのイメージができてからは心のどこかにあった霧が晴れたようで、うまく言葉にできませんが、ひとつ階段をのぼったような感覚です。

     三浦先生は、橋本先生が指導された時代とは指導内容が進化しています。例えば、なぜ皮膚に問いかけることが治療につながるのか、またなぜ自然体をとる時に聞き手と反対の足を半歩出すのか、といったようなことは他では教えていないと思います。
    それには、三浦先生が臨床上ぶつかった難問に対し、橋本先生だったらどうするだろうか、と深く想いを巡らせ、橋本先生の著書、言葉の中にひらめき、発展させたというプロセスがあります。橋本先生の想いはちゃんとベースに残した上での進化なのです。
    そのプロセスを理解していないと、これらを「○○流」という理解をされるかもしれませんが、自然法則の応用貢献という橋本哲学の原理原則は外れていないことにどうぞ気づいてほしいと思うのです。それと、「生体〜」を読んでいて感じたのは、橋本先生が「まだ操体と言う本は書きかけだから、どうか解明しきれなかった部分を明らかにして顕してほしい」という想いがあることです。この橋本先生の想いを継いで、責任をしょっているのを三浦先生から感じます。

    フォーラムのメンバーの絆はそれを師から感じているから強いのかな、と思いました。
    私たちは、橋本先生の想いから継いで伝道師にならないといけないのですね。

    なんていって、自分がちょっと写本を再開したからといってエラそうにいろいろ書いてますが、私より先に何人も書き終えているメンバーが何人もおります。「今更何言ってんのよ〜」と自分にツッコミいれているところです…。

    いやでも、写本はいいですよ、とあらためていいます。
    書き写すことで方向の違う理解が深まります。
    また、学ぶにおいて、人から教えてもらうだけではなく、自らの気づきや、疑問に立ち向かう姿勢が必須ですが、それにも役に立ちます。
    操体に関わらず、気になったらどんなジャンルでも書くことをおススメします。

    三浦先生は今でも気にいった本があると書き写しているらしいです。

    私もそう書いた以上は仕上げてみせますぞ。

    いよいよ明日からマドリッドにてヨーロッパ初のフォーラム開催。
    歴史的瞬間ですね。
    みんな、どんどんアバレてきてください!

    森田珠水

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラムin マドリード」開催
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • リズムをキープ

    東京は大雨です。気温は23℃。
    3、4日前までの猛暑が嘘のようです。
    涼しくなって楽になったというよりも、だるくて辛いという声が多いみたい。
    夏の疲れが出る時期です。皆様ご自愛ください。

    昨日出発した8人は、無事に今朝イスタンブールについたそうです。
    ツイッターでリアルタイムに皆の様子が分かるので便利です。みなさまもよろしければのぞいてみてください。

    Twitter/東京操体フォーラム
    http://twitter.com/tokyosotaiforum

    ときに私事ですが、今年から相方がサポートメンバーをしている音楽ユニット、fishing With john(以下fwj)に私もちょっとお手伝いはじめることになりました。私はまだまだ発展途上ですが、Johnさんの音楽は素敵です。

    * fishing with john(五十嵐祐輔)
    http://www.fwj.jp/index.html

    彼の曲は、猫をこよなく愛する写真家坂東寛司氏HPでもジングルが聞けます。

    坂東寛司HP「5000匹の猫」
    http://5000cats-bando.com/

    fwjは、春日部張り子の職人でもある五十嵐祐輔氏のソロインストユニット。うちの相方は彼の歌ものバンド「各駅停車」からのつきあいです。
    相方はカホン(またはドラム)他パーカッションで、それに足りないリズムを私がシェカー、グロッケン(鉄琴)、鳴り物で参加という形です。今まで歌うときにシェイカーをふることはあっても、楽器だけで人前に出ることのなかった私。十年選手のプレイヤー(もっと長いかも)の中に混じるのはどうかと思ったものの、好きな楽曲ばかりだったし、これも何かのタイミングだと怖いもの知らずで飛び込んでしまいました。

     ただシェイカーを振る、といっても最初は一曲同じリズムをキープするのは容易ではなかったです。リズムのキープと「構成を間違えちゃならん」と緊張するあまり、最初のうちは腕だけで振っていたせいかからだはすぐガチガチになりました。何度ステージ上で自力自動の操体を通していたことか。
     椅子に腰掛けてきき手と反対の膝を少し出し、爪先はちょっと内側…と自然体をとり、重心は左尻、と。部分ではなく「からだ全体で振る」とはどんなだろう…と練習しました。意識して般若身経を生かしてみます。曲と皆の音を聴いて波に乗る、回を重ねると自然におなかにいい緊張を保ちながら骨盤がリズムに乗ってきます。そのうち「大変だ〜(汗)」の時を超えていただく、ハーモニーを味わう快のご褒美。そこまでくれば片腕だけが痛いなどということもなくなりました。

     同様にリズムをキープするといえば思い出すのは足趾の操法です。これはただ単に患者さんの足趾をほぐすだけのものではありません。もちろんその目的もありますが、第2、第3分析で患者さんがより感覚をききわけやすい状態に導くこともより大きな目的の一つです。
    施術者は一定の触れ方とリズムをキープしつつ、からだを診断します。「操体は患者自身が診断と治療をする」といいますが、施術者が何もしていないわけではありません。患者自身の診断(感覚のきき分け)と治療(快適感覚を味わう)が最もよくなされるための「器(状態、環境)」を作っています。その為には足趾の操法をしている時にもいくつか診断をしているわけです。施術者のからだで感じることも含まれます。足趾の操法の途中で「気持ちのよさを味わっていただく」治療に入ることもよくあります。

    そのためには、足趾の操法にはリズム、つまり一定の波動を紡ぎつづけることが大事なのです。
    私もまだまだ深化中ですが、足趾の操法を学び始めた頃を思い返すとリズム感の未熟さにため息が出ます。般若身経が身についていることが最低限にしてどこまでも大切なことです。患者さんに心地よい波動を共振していただくには触れ方とリズムのキープがとても大事です。
    患者と施術者で共振する波動は音楽…なんですよね。

     東京操体フォーラムには、私よりずっと音楽つけになっているメンバーがいろいろいますので、音楽と操体についてはまたじっくり語ってくださると思います。

     と、いうわけで、ひょんなことから始めたシェイカー振り(壷振りみたい?)ですけれども、続けていくと操体と演奏のどちらも深まっていく感じがあって、お互いに生かしているようです。できるところまで続けていきたいなと。
    リズムの師匠は相方になるわけですが、一つの山をクリアすると「もっと○○の音を聴いて」「もっとうたうように振って」と要求を高くしてくれます。厳しいけどありがたい…(遠い目)。

    さて、みんなはマドリッドについたようですよ。

    いよいよ土曜日ですね、フォーラム@スペイン。

    森田珠水

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラムin マドリード」開催
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • スージー・ベッカー

     昨日のCMで思い出すのは、1990年にアメリカでベストセラーになった、スージー・ベッカーの「大事なことはみーんな猫に教わった」という絵本だ。

    スージー・ベッカーはアメリカの作家、イラストレーター、アーティスト、経営者、ホワイトハウスなどいろいろな団体の研究員…と種々の顔をもつ。この本は日本では1991年に谷川俊太郎のよって訳され、すでに読まれた方も多いと思う。

    * 「大事なことはみーんな猫に教わった」スージー・ベッカー/谷川俊太郎 訳

    大事なことはみーんな猫に教わった

    大事なことはみーんな猫に教わった

    この本を開く時によって気に入るフレーズが変わるが、今日久しぶりに読んだ時のお気に入りは
    「自立を失わず人に頼るべし。」
    「世界をお前の遊び場に。」
    「そこにいるだけで誰かをいい気持ちにできるようになるべし。」
    である。

    その後の作者の本は出版されているかと検索してみると、なんと2005年に「大事なことはみーんな脳腫瘍に教わった」を出版していた。

    * 「大事なことはみーんな脳腫瘍に教わった」

    大事なことはみーんな脳腫瘍に教わった

    大事なことはみーんな脳腫瘍に教わった

    脳腫瘍を手術で切除し、回復するまでをに綴った本である。手術後、脳障害に悩まされるのだが、言葉をはじめとする、高次性機能障害そのものも個人差がある上、一見障害があるように見えないというのは、他人に理解されない2重の苦しみがあったはずだ。そのイライラ、ジレンマ、人間関係のズレに苦しむ様子まで、スージーにかかると読む者に笑いを与えるところが見事で、ここでもユーモア(笑い)の重要性を感じずにはいられなかった。

    現在彼女は、手術前と同じように回復した訳ではないが、新しい自分と上手につきあいながら仕事に復帰している。

    もしここに彼女がいたら、私は回復の為になにかできるかと考えるとやはり操体をしたいなと思いながら読んだ。

    それにはまず英会話は必要だ。臨床をする為には「からだに届く言葉」を選んで使っている。「からだにききわける」「一番気持ちのいいところでからだをたわめて」などのように。逆に言うと、必要な言葉のみを優先的に覚えればよいのだ。
     他人に理解されない辛い部分があると、人は極度に他人の言動に過敏に反応し、感情的になる。それがかえってストレスを増悪させる。「良かれと思った発言がマイナスになる」経験は、臨床現場でも繰り返されているに違いないということも、この本から学べるので医療従事者には一読を勧めたい。

    医療現場、日常生活での言葉かけの失敗(逆に患者を傷つけてしまう)がなぜ起こるかというと、患者の頭を相手に話しかけるからである。困っているのはからだなのだから、下手な慰めをするぐらいなら、からだを相手に話し、問いかければよいのだ。からだの気持ちは我々にはわからない。だから、一方的な思い込みを押し付けることはできず、自然と「○○していただけますか?」や「どのような感じですか?」のように問いかける、お願いするという言葉選びになり、患者自身に失礼な言葉をぶつけることもないはずである。

    外国語でも、原始感覚とからだの使い方のルールに関しての言い回しになれればひとまず臨床ができるだろうか。身振り手振りと絵を描く、などは駆使することになるだろうが…。

    ある程度の会話をパスすれば、あとは視診触診を通し、からだの歪みをつかめばとにかくアプローチ可能だ。操体は、診断、治療を患者自身に任せてしまう治療法(施術者は治していないが)なので、たとえ科学的に原因、治療法が解明されていなくても自然治癒力を充分に発揮してもらうことができる。

    あとは患者を安心させるスマイルがあれば、最強だろう。

     たまたまこの本を読んでいる喫茶店で、目の前にラテン系の女性とパートナーと思われる日本人がお茶をしていた。英語ではない外国語を自由に操るその男性は頼もしくみえ、スージーに操体を…など考えた私には頼もしく見えた。
    操体を世界に味わってもらう為には、外国語会話の学びも必要なのだ。
    どんな疾患でも、操体はアプローチでき、どんな国の人に対しても施術できるものであればこれほど強いものはない。

    今日、8人の侍ならぬ東京操体フォーラムの一団がスペインにむけて旅立った。

    橋本先生は「治療者はあまり沢山いなくてもよい。操体の伝道者は必要だ」というようなお話をされていたということだ。

    世界進出?の第一歩は実現し初めている。この波に乗る為に、会話や、文章力、指導力など、学ぶ方面は臨床だけではないと痛感した。

    森田珠水

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 猫に学ぶ3

    こんばんは森田です。
    今放映されているTVCMで、カルカン「キミが教えてくれること」というのがありまして。ワタクシ、このCMが大好きなのです。

    *カルカン「キミが教えてくれること」

    猫が家の中を荒らしているのですが、以下のナレーションが入ると、もっともらしく意味のある映像になるのが不思議ですよね。

    「たまには、無意味なことをしてみる(ティッシュの箱からちり紙を一枚ずつ出す)
    自分の気持ちよさをまず優先する(炊飯器の上で寝ている)
    自分の能力に限界をきめない(ソファから高い棚に飛び移る)
    キミが、教えてくれること」

     自分の感覚に正直に生きていない、いや、感覚をききわけてからだの要求に従うことを忘れてしまった私たちは、大いに猫から学びたいなと思います。

    このナレーションはどのフレーズもお気に入りなのですが(2行目はまさに操体!)、特に3行目の「自分の能力に限界を決めない」が今いちばんひびきます。私たちはいろいろな場面において可能性を自分自身の頭で決めてしまっています。
     患者さんとの会話によくあるのは、
    「この年になったら、もう○○できなくて当たり前よねえ」
    「この病気になるとあとは○○になっていくだけって言われたのよ」
    「原因が分からないから治せないと言われた」
    など、可能性を決めつけて制限している言葉。

    確かに診断も治療も他人に任せるのが当然の世の中でしたから、平均値に自分自身を押し込めるしかないのは仕方ないかもしれません。もちろん、昨日テーマにした笑いの力、皮膚、呼吸の力を科学する研究も進んでいますが、一般には浸透していないようです。

     自然治癒力という言葉は誰もが聞いた言葉となりましたが、体感することはなかなか少ない。重い病の診断を下された方が奇跡的に治った話は、滅多にないことで自分には起こらないと考えるのがこころの防衛本能(つまり制限)なのです。

    操体をやれば、癌でも何でも治りますよ〜!」と言っているのではありませんよ。ちょっと順序がちがいます。

    橋本先生は「気持ちのよさで治るんだ」「患者には原始感覚(快と不快をききわける能力)しか教えるな!」とおっしゃっていたそうです。
    自分のからだ、イノチにきいてみれば、何か答えが返ってきます。気持ちがいい、おもしろい、不思議〜という「快」の感覚を享受し、からだとともに委ね、ぜひぜひ味わってください。そうしてからだはありがたく治してくれるんだ、と体感していただけると意識が変わります。体感はイノチのありがたい力を信じることにつながります。感謝は他人にしなくていいんです(笑)。答えは自分の中にあるというのはこういうことかもしれません。そうして、感謝、信じることを通して息食動想(+環)を改めてみなおそう、とこころに感じた時には、奇跡的なことも起こるかもしれません。もっとからだとつながって、頭の制限が外れて、次元をポーンと飛び越えた時は、奇跡でなくとも、意識が変って、それまでとは違う方向へ人生が向いていくことは必至です。

    「自分の能力に限界を決めない」

    その、制限が外れる瞬間に居合わせられるのは、操体をやっていて幸せなことです。もちろん、そこに関わるためには学んで、耕し続けないといけないのですが、患者さんの驚く顔が見られるご褒美は確実にあるので、それで学びが続いているのかな、と思います。

    さて、この日本の宝、操体を広く伝えるべく、師匠と仲間の8人が明日スペインへ旅立ちます。日本だけにおいといたらもったいない。
    記念すべき一回目の海外でのフォーラムまであと4日。

    みんなアバレてきてくれると思います。度肝をどんどん抜いてきてほしいですね。

    では、いってらっしゃい!

    森田珠水

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • スマイル 

    京都では以前写真を撮っていただいたカメラマンの白井智氏に、フォーラムのメンバー全員がポートレイト、集合写真、その他京都の各場所で写真を撮っていただきました。
     ポートレイトは最初はやはり緊張し、笑顔を作るのは難しいなと思いましたが、そこはそれ白井さんの腕で、私が心配するよりいい写真に撮っていただけました。ありがとうございました。

     京都より戻って2日後、朝のTV番組で、「いい笑顔の作り方」なる特集をやっていました。芸能事務所の社長は、タレントが写真を撮られる時に

    「口を閉じたスマイル」
    「前歯だけ見せた笑顔(写真に撮られる時のニッコリしたスマイル)」
    「下の歯を少し見せて恋人に見せる時のスマイル(確かそんな内容でした)」

    を分けてトレーニングさせているだそうです。

    確か白井さんがポートレイトを撮る時に(表現は違いますが)3種類のスマイルを求められたので、口元のコントロール(口角のあげ方)が笑顔の一つの基本なのかもしれません。それと目の表情でしたね。
    TVを見て「前歯だけ出して」を意識して笑ってみたのですが、私がやると鼻の穴がふくらんだり変顔になったり、ぎこちなくなるのですね…。それは頭で部分だけ何とかしようと頭で考えているから。
    そこで、他にヒントはないものかと検索すると、あるわあるわ、マッサージ系(他力)にしろ、鍛錬系にしろ(自力)、「表情筋を柔軟にし鍛えて使いこなそう」というものがほとんどでした。皆さんどう見られるか悩んでるんですね。

     そういえば集合写真の撮影の時は、島津先生の奥様である治子さんの「皆さん、テキーラよ、テキーラ!」という声が聞こえましたが、これもいいスマイルをつくるためのかけ声だったと後から気づきました。「イ」で口角をあげた後、少しだけ「ア」の発音で口が開くという、「どの筋肉を使って…」というような頭をつかわせない工夫で、さすがだなと思いました。

    笑うことと笑顔には効用があります。
    まず、笑うということは、

    1、 副交感神経優位になってストレスが緩和する。
    2、 ナチュラルキラー細胞の活性化、脳内麻薬様物質の分泌増加によって免疫力がアップする(白血球の増加、血糖値の低下など)
    3、 「笑い」は呼気によって行われる。腹式呼吸により、血行が促進する
    4、 リラックス効果による集中力、ひらめきの向上
    5、 コミュニケーションを円滑にする
    6、 βエンドルフィンの分泌による痛みの抑制

    そして、楽しくなくても、笑顔を作るだけでも笑いに近い効果があり、近年では笑いを「副作用のない最高の治療薬」ととらえ、病院で落語の会を催したり、おもしろくなくてもとにかく笑う治療法などがあります。「笑い療法士」なる資格もでき、ホスピスなので活躍されているそうです。
    こうして笑いの効果を見てみると操体臨床で快を味わった結果と似ているなと思いますが、笑うことも快の一つだから当然なのでした。

    実は京都では、三浦先生と3人の女子(畠山先生、小代田実行委員、私)で撮っていただいた写真があるのですが、だれより三浦先生の笑顔が1番なんですよ。表情が繊細さのある柔らかさなのです。
    これはうれしいことですね。素敵なスマイルの師匠を持つというのは、誇らしくて自慢できることです。

    なんだか「え〜どうやって口角をあげようかな」と言っていた自分が急に恥ずかしくなりました…。

    言うまでもなく三浦先生がマッサージによるものでも、トレーニングしているわけではありません(マッサージやトレーニングが悪いという訳ではありませんが)。臨床でも日常でも、イノチに感謝し、自分自身と向き合って信頼関係を築いているからこそ、内側から、先生らしい自然な笑みになるのでしょう。夜寝る前と朝起きた時には、鏡を見てにこっと微笑んでいらっしゃるそうです。もちろん、常にからだの要求に従って行きていることがからだの隅から隅までつながっていることも重要なところです。
    きっと先生はスマイルでも患者さんの快を引き出して?いるに違いありません。

     笑いは伝染するので、臨床家がどんな時でも笑顔ができれば、それは患者さんのこころにもからだに、より快が波動するのではないでしょうか。スマイルによって相手をホッとさせられる臨床家になりたいと思います。

    タレントだけでなく今時の若い女子達は、写メやプリクラでとにかく撮られるチャンスが多いせいか、表情が撮られなれていて瞬時に笑顔をキメられるようですが、ちょっとスマイルが画一的かなと感じる時もあります。
    自然で、自分らしい笑顔をものにしたければ、からだの感覚をききわけて、からだに気持ちのよさを味わってもらうことが大事です。

    うま〜くイノチと自分自身とつながって、イキイキのびのびいきたいものです。

    森田珠水

    9月18、19日スペイン、マドリードにて「操体フォーラム in マドリード」開催
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。