カテゴリー: 岡村郁生(おかむらいくお)

  • あなとほと私の生に操体は関わる⑦

     まず大全堤として、自然法則は「絶対性」が成立している。(⇔相対性)

     

    よって、自然法則の応用貢献とは、理に適い、使いやすくなるように

    発展し続け、操体の学問も体系化され、より深化してきたのだ。

     

    (横紋筋系運動系骨格系から皮膚を含む体壁内臓系へ)

     

    骨格筋系運動系を主とした「操体」の時代は、終焉にむかっている。

    現代医学における最新の研究、その根幹を成す遺伝子医療のニーズ、

    成長を求められているものは、変化を生じるのも必然となる。

     

    操体」も次世代に繋がっていくよう、継続しながら変化している。

    その大きな特徴を挙げれば、まず「皮膚」になるだろう。

     

    これにより「操体法」は「操体」の中にあって操体法の枠を超えて、

    数多の手技療法にあった括りを、撤廃してしまったのだと感じる。

     

    操体の臨床は「快の質」を問うようになっており、その結果として

    「生命感覚の快」と「現象に問いかける快」との識別を行う必要性

    を生じてきていた事実はある。

     

    「楽」を通す。比較対称の操体の時代を経て、「快」をききわけて

    診断し、ききわけた「快」をとおす操体に進化していった。

     

    そして「予備感覚」という無意識の快、その皮膚に問いかけていく

    操体は、生命の本質を肯定することさえ可能になってきている。

     

    それこそ「快」の本質は、「太極」とはいったい何なのか説明でき

    なくとも、臨生(臨床)でそれを感じとることができるのである。

     

    咲き誇る花は、散るときの未練や言い訳などしない。

    咲いて欲しいから咲くのでなく、見てもらう為に咲くのでもない。

    本来は、自然の造形物である人間も同じだったのだ。

     

    天地天然の自然法則に調和し、生かされて、生きているのだ。

     

    私自身の操体の出会いとは、そのご縁という螺旋に噛み合いつつ、

    本来そういうことだったのかと、目からウロコの旅路途中となる。

     

    自分探しの旅に出ると人はいうけれども、本質を取り戻すだけで、

    常に至高体験となり、皮膚感覚で味わう自然に、感謝は生じる。

     

    その環境に生命現象を預け生かされているから、きもちがいい。

     要するに、「からだ」を裏切ってはいけないことも理解できる。

     

    それでは、一週間有難うございました。

    明日からは、日下実行委員の登場です、お愉しみに!

     

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

    ※「操体マンダラ」とは?

    三浦寛が一日、操体の最新情報について語る、操体三昧の一日です。
    弟子一同にとっては「師匠孝行する日」。

    東京操体フォーラムや、通常の講習では語りきれないことを、

    存分に出していただこうという算段です。
    今年からはリクエストにお応えして、10時〜21時の開催になります。

    昼食会
    サイン色紙&ツーショット撮影会

    足趾の操法®アドバイザー認定、操体プラクティショナー認定式、

    今年より「足趾の操法指導者」認定を行います。

    開催日時:2019年7月15日(月)海の日
    10時〜21時 ルーテル市ヶ谷センター

    ★予約制で、当日の参加受付はありません。ご注意下さい

    https://www.sotai-miura.com/?p=1314

  • あなとほと私の生に操体は関わる⑥

    初体験は、自分の中にあって一番遠くにある大切な記憶になっている。

     

    初めて東京操体フォーラム理事長に、第三分析「渦状波®」を受けて、

    『これ、ナンにもわからないなぁ』と思っている自分は、唐突に寝て

    いる床が抜けてしまい、からだ丸ごと、半分無くなってしまう感覚を

    味わってしまったのは、いまだに忘れられない体験となっている。

     

    日常生活のなか、普段味わうことのない感覚はあるのだと理解した。

    皮膚に問いかける「渦状波®」できき分けることの可能な感覚の一つ、

    とても不思議な、自分ではよくわからない「予備感覚」がある。

     

    快の予備感覚とは、平常時意識にのぼってこない「内部感覚」なのだ。

    はじめの頃、予備感覚は「快か不快」かその識別がききわけられない

    ケースも多いだろう。

     

    しかし、それは「無意識の快」であり「快の本質」につながっている。

    「無意識の快」とは、「生命感覚の快」につながっているのであって、

    ゆえに、「内部感覚」は、まさに「イノチ」そのものと直結している。

     

    この「からだ」がききわける「内部感覚」を「快の予備感覚」として

    体験する意味は、被検者自身にとって多くは初体験のようであっても、

    「からだの無意識」にすれば、過去に怪我や疾患として体験してきた。

     

    つまり「快の予備感覚」とは、過去に怪我、或いは疾患を抱えていた

    部位にこそ、何かの感覚がききわけられるということである。

     

    この古傷は、現在、被検者の抱える症状疾患を、治りがたくしている。

    要するにそれは、患者の忘れ形見であり、現在の症状疾患に関与する、

    「からだのつかいかた」の成績表であり、“病歴”に直接繋がっている。

     

    「からだ」が治してくれるのだから、しかるべき順序はあって当然だ。

     

    今、生まれつつある意識に、過去の自分を積み上げてきた連鎖の意味。

    まさに、治らないと嘆く前に、本当は「からだ」に訊くべきであろう。

    それは病歴の根本から見つめ直し、生きるとは何か、意識できてくる。

     

    橋本敬三氏は「誰にもわかる操体法の医学(農文協 健康双書)p130」

    でこのように述べている。

     

    「現代医学が運動系の特性に開眼して、従来の固定した観念から脱却

     することをねがうや切である。

     運動系それ自身の特性に開眼するなら、そのうちに配線されてある

     神経系、循環系特に東洋医学が伝えた経絡(藤田六朗博士によって

     開発された、筋運動主因性流体波動通路系管外性体液流注の系統)

     等が内臓や中枢神経に相関していることも次第に理解され、精神活

     動やホルモン変動のメカニズムも運動系の歪みに重大な関係がある

     ことがわかってくるであろう。

     運動系は現代医学の盲点になっているが、これは必ずや東西医学の

     架け橋となって現代の医学を向上発展させる時がくるであろう。

     身心医学は今や急速に伸びてきた」

     

     これは自然の法則であり「快」の方向性であり、操体の基軸を成す

     哲学思想でもある「太極」を、そして陰陽未分の一を意味している。

     

    陰と陽は、分化する以前に未分であり、全て太極の意志に従っている。

     

    私も、アナタも、あの人とも、どこかで必ず繋がっている。

                            (続く)

     

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

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  • あなとほと私の性に操体は関わる⑤

    本気に結婚を考えた初めての女性と、唇を重ねただけの瞬間。 

    からだの中を電流火花がはしり、一体感のスイッチを浴びたあの瞬間。

    そこからは、到達するたび本当に『きもちがいい』のかと尋ねている。

     

    本当に自分が『きもちがいい』とき、相手も気持ちがいいのかどうか。

     

    セックスでも、相手を気にすればするほど、冷めてしまうのはなぜか。

     

    私はわたしであってはいけないのだろうか、そのたびに疑問は生じる。

     

    (救いと報いの識別、認識できる愛)

     

    「生」を育くむ「性」を感じ取ること、それは「愛」なのか。

    私にとって愛とは何か。そもそも「愛」の本質とは何なのか。

     

    何かにつけて条件をつける愛とは、もともと在る姿の「愛」ではない。

    無条件であるからこそ「愛」、無償の愛と書いて償いの無い愛と書く。

    自然なる「愛」に理由などいらないし、「性」は汚くなんてない。

     

    もし、罪とかカルマとかそれ自体を、その存在自体すら誤解していれば、

    人間として今も生きる存在の中、生まれながらにあると思い込んだなら、

    どうして人間の「からだ」は自然と言えるのか。

     

    人間の設計に、からだの設計にミスはない。

     

    「からだ」は自然であるが故に、大自然の“理”が立つのであろう。

    違うのならば、少なくても私自身は、胸を張って生きてはいない。

    そして、「操体」を学ぶことはできてはいない。

     

    気持ちよければ(何をしたって)いい、それは勘違いに過ぎない。

    本当に『きもちがいい』ことは、一生勉強して足りないほど深い。

    肉体というもの、精神というもの、そんな括りを軽く飛び越える。

     

    おや?もう一人の心の声が聞こえるような……。

    (意識飛び&左脳飛ばし)

     

    「それって、久しぶりにワタシの出番じゃない?

     まず気付いてほしいのは、愛と性にはつながりのルールがあるの。

     

     ルールを知らない人は、愛と性の流れを乱しちゃうのね。

     雰囲気が悪いとか、流れが悪いってことのは、間が悪いってこと。

     

     そうでなければ、モチロンお互いの努力の問題なのよ。

     やりかたは至ってシンプル『もっとこうしてほしいとかある?』

     『どうしたら気持ちがいい?』って目的に適うように訊くだけ。

     

     わからないからって、自分だけ気持ちがいいコトで満足しちゃう

     のは初体験を、速けりゃ自慢できると勘違いした思春期の子同然、

     欲望ダダ洩れで性欲まっしぐらの痴漢ってコトなのよ。

     

     ちゃんときいてみてごらんなさい。

     『へたくそでゴメン、もっとこうしてほしいってコト教えて?』

     それこそ初めはドヘタなんだから、きかなきゃわかんないわよ。

     

     だから、恥ずかしがったり高飛車に構えたりしないでアナタから

     ためらわず「からだ」の意見をきくこと、これはいいと思うわ。

     

     気持ちがいいってこと、わからないのはアナタの努力不足99%。

     これを相性の問題とか、相手のせいにしちゃモッタイナイわよ。

     大事なのは、「からだ」を理解する努力を続けることなのよ!

     

     (ここで左脳意識、戻ってくる)

    この救いが成立している、生かされて生きているのはワケがある。

    生命現象の本質を、どの程度理解できているか、質を問われる。

     

    きもちのよさがあれば何をしてもいい、そう語ることを許されるの

    は、道を究めし操体の仙人か人間国宝級で、操体を一生の学問とし、

    自然法則の応用貢献を成す、相当なレベルの話なんでしょう……。

     

    ですから「人生は二毛作だよ」と語って頂いたことのある、生も性

    も、そして愛も、人生折り返しの私自身には、訊く努力も快なのです。

                                (続く)

     

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

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  • あなとほと私の性に操体は関わる④

    20年前の自分、それを見つめる自分に説明するとしたら。

     

     (原始感覚と快の方向性)

     

    60兆の細胞集合体、からだには生まれながらにして「快か不快か」の、

    生体感覚情報をキャッチする働きがある。これを原始感覚という。

     

    からだの本質は生命現象であり、常に感覚をきき分ける。

    気持ちがよいという快適感覚=自然治癒能力であり、勿論、「からだ」

    そのものは、熟練した治療者以上に、本来の治しかたを知っている。

     

    ここはハッキリと識別させておきたい。

    一般的に操体法は、手技療法(技術・テクニック)と捉えられやすい。

     

    しかし、シンプルな自然法則を「からだ」に通してこそ、操体の臨床で

    あり、操体の醍醐味、生命の原理原則を無視しては、操体の臨生の場に

    おいて何も始まらないのである。これをゆめゆめ忘れてはならない。

     

    結果から言えば、臨床の場で百人百様の問いかけをしても構わない。

    自己流に流れてしまっても、自己責任だからそれはそれで構わない。

     

    しかし、この真理=自然法則を知らずに操体の臨床を通すというのは、

    目的がわからないまま旅に出ているのと同じことなのである。

     

    真理を追求し、確かめるために、方法は目的に適うことは大切であり、

    目的があってこそ、その方法も成り立つ。

    方法が目的にすり替わった途端、自然法則から外れてしまうのだ。

     

    快適感覚に従う、というシンプルな法則。

    本来の「からだ」を取り戻すことであり、操体の大前提は成立しうる。

     

    そして、気持ちよければなんでもよい、ということではない。

     

    操体臨床は、患者の要求ではなく「からだ」の要求なのである。

    それは、「からだ」の要求であり、つまり「イノチ」の要求。

     

    「からだ」を裏切ってはいけないことを、理解できるように通す。

     

    感覚する気持ちのよさを感じてもらえればいい。

    刺激にならない接触により、感じてもらえるだけでいい。

    もっと云えば、その相手が感じていなくともいい。

     

    本質は伝わる。

                           (続く)

     

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

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  • あなとほと私の精に操体は関わる③

    <結婚も、開業も、学問も>

    卒業と同時に開業し、一年は治療家としても、経営者としても大変だった。

    更に朝から晩まで、ひたすら患者を診ている。

    休日は私自身、治療をしてもらわなくては健康を維持できなくなってきた。

     

    報いもあれば救いもある。ヒトはみな良心を頂いて、それを気づかされる。

    私自身、「からだ」とか「イノチ」に導かれたとしか言いようがない。

     

    医道の日本の研究会特集、橋本敬三先生の高弟で、現在東京操体フォーラム

    理事長の三浦寛先生の主催する東京操体法研究会に参加させて頂いた。

     

    20年前の私は、症状疾患をできるだけ早く取り去るのを第一の目的として、

    臨床で五十肩を愁訴とする患者に辟易し、往生していたため意気揚々と操体

    講習会場にその実技を教えてもらおうと思っていた。

    ところがどっこい、症状に関する質問には全て同じ答えが返ってくる。

     

    「気持ちの良さを聞き分ければ良いんだ」という、たった一つの答え。

     

    しかも、教えて頂くのは「第一分析」ではなく「気持ちの良さをききわける」

    第二分析であり、しかも、初期の講義の内容は、抽象的とも思える太極の思

    想や、救いと報いなど「想」の語られる内容に戸惑うばかりでもあった。

     

    ※注:太極の思想=実相(=在るもの)理念における万物創造の源は無限界

    (=太極)であり、陰陽未分の一なるものである(太極は絶対、陰陽は相対)

    陰陽は異質であるがゆえに、親和反発の加減によって、波動として陽となり

    かつ具現化して、現象界を成している。

    波動とは、エネルギーの具体化でもあり、不可視から生まれ、現象となる。

    この現象こそ、私たちの一般的な生活、この空間であり、目に見える世界。

      

    元々、心理学や精神医学に興味のある私も、橋本敬三生の哲学や、思想を

    延々と学ばせて頂きながら、その真価に触れ、信仰と「救いの生命観」に、

    いつのまにか、私自身の想念ごと、魂の要求として引き込まれていった。

     

    されど全ての人間にそれは必要であっても、必要と考えない講習生もいる。

    講習中のある時、しびれを切らしたように受講生の一人が言い放った。

     

    「気持ちの良さで治るってなんですか?」

    橋本敬三先生の書かれている操体法を教えてくれるのかと思って来たのに、

     いつまでたっても教えてくれないじゃないですか」

    「ここでは、橋本敬三先生の痛いほうから痛くない方向へ動かして脱力する

     操体法を教えてくれないのですか?」と突っかかったのである。

     

    これに関して当時の三浦寛先生は、

    「そうじゃないんだよ。橋本敬三先生が晩年おっしゃった臨床の問いかけは、

     楽じゃないんだよ、快なんだよ」と、説明するが受講生も引き下がらない。

    根負けしたのか、当時の三浦寛先生は、他の受講生も知りたいのかと尋ねられ

    賛成多数だったため、一息入れた後で第一分析の指導が始まった。

     

    当時の私は、待ってましたとばかりに飛びついてはみたものの、な・ぜ・か、

    第一分析の動診は、操者の決めつけが多いということがわかった。

     

    要するに、「気持ちの良さ」がキーワードになっておらず、操体法としての

    「第二分析」よりも、かえって理解しにくいことがわかってきたのである。

     

    その刹那「治すことを教えているのではない」と、いう言葉がよぎった。

    まさに「治すことを教えている」ように感じられたのだから当たり前である。

    (※万病を治す妙療法より抜粋~p125)

    「健康というものは自分の責任で守るものです。しかし、どうしたらいいのか

     についてのだいたいの道筋を教えるのが医者です。あとはあなたがやるかや

     らないかの問題で医者の責任ではないのです」

     

    このときは、操者の決めつけを排除した第二分析にこそ、操体法の神髄を感じ

    てこそ、想愛の神髄、自力自療の妙味がある、当時の私自身もそう感じたのだ。

       

                                   (続く)

     

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

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  • あなとほと私の精に操体は関わる②

    繋がっているから今がある。

    打算ではない閃きに支えられて価値を見出していく。

    それでは回顧録の続きとまいります。

     

    <おら、東京さ、いぐだ> 

    鍼灸按摩マッサージ指圧師の学校を卒業して、日本柔道整復専門学校

    の柔道整復科のへ進んだ私は、そこで「操体法」と再会を果たす。

     

    朝は整形外科に勤務しながら、夜間部で知識を詰め込む学校生活となり、

    様々な教科を学んでいたとき、一般臨床医学(内科)講師は面白いこと

    に授業中、なんと操体法での臨床経験を紹介してくれたのである。

     

    まさか、ほねつぎの学校で操体法の話を聞くとは、思いもよらなかった。

    その内科講師は、いかに有効で危険がないかを繰り返して語っていた。

    講師の立場でなく、臨床家の立場から操体法を勧めてたようさえ思えた。

    それは学生であった私も多いに共感できたのである。

     

    「皆さんは“腰痛”って治らないと思っていませんか」

    「これからの時代は柔道整復師は(昔と違い)骨折や脱臼の患者さんが、

     頻繁に来てくれるとは限りませんよ」

    「臨床で多い患者の症状は、腰の痛み、膝の痛み、頸肩部の痛み等です」

    「患者の訴えを、頸部捻挫、腰部捻挫にして、毎日通っても、治らない。

     それが、捻挫というのはおかしいと思いませんか」

     

    とまあ、ちょっと斜に構えた前振りの後で聞く「操体」の臨床例は、当時

    非常に魅力的でもあり、整形外科で日々勤務する身としても興味が沸いた。

     

    後日、その講師にお願いして校友と供に、特別に丸一日の操体法講習の場を

    設けていただき、それをきっかけに講師のもと修行することになった友人と、

    学校で操体法を研究する機会も生まれた。

     

    そして、当時努めていた整形外科では“ヒカガミ”の圧痛硬結を解除できること

    に医師が驚き、「ベーカー膿腫」の治療の名人と言わせた。

    (注:ベーカー膿腫=膝後ろの滑液包炎、その袋に水が溜まる腫瘤である)

     

    回顧録その②~

    仕事として人を癒やし、人として自己満足を得たい。

    日々の労働と対価のなか、それに見合う内容を提供できているか。

    困っている人の力になりたい。悩んでいる人を支えたい。

     

     医療の一翼を担い、古来から培われている技術を提供したい。

    当時も「万病を治す妙療法」を通して操体を知った私は、コレ一本だった。 

    万病を治せる妙療法―温古堂先生 (健康双書)

    万病を治せる妙療法―温古堂先生 (健康双書)

     

     『きもちがいい』ってことは、全てにそのワケがある。

     なんて言うのかなぁ、優しさという愛をからだと共有しあえている。

    双方とも柔らかな「からだ」になってこそ交流し、快を共感できる。

                              (続く)

     

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

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  • あなとほと私の精に操体は関わる①

     皆様、おはようございます。

    「私の操体歴」をテーマに一週間、ブログを担当する茅ヶ崎在住の岡村郁生です。

    少しばかり道草しながら書き綴りますから、よろしくお願いいたします。  

     

    今回は操体の今に至る”結び=現在”ともいえるエピソード。

    少々長い自己紹介とも重なるけれど、お付き合い頂ければありがたい。

     

    そもそも操体との出会いとは、奇遇というか、神秘現象の具現化かもしれない。

    治療という枠に納まらない操体と出会い、臨床の方向性を臨生(臨床)とし、

    生かされている目的に従って、このイノチの方向性を学べるのだから。

     

    臨床家として治療家の枠組を超え、自身のイノチをも満たしていく日々の学び

    に新鮮さを感じる。

    まさしくそれは、生命の意志「からだ」を通じて自分の本質そのものと向かい

    合う喜びとなっている。

     

    「何故?操体なのか」それは、操体の今に至る物語。

     

    <直感だけでない操体との出会い>

    22歳の時に初めて、いわさきちひろ氏の扉絵が印象的な橋本敬三先生の著書

    「万病を治せる妙療法、操体法」(農文協 健康双書)と出会うことができた。

    そして読み進めていくうちに、大きな一つの事実に気付く。

     

    著者は、“治すことを教えていない”のだ。

    しかも危険がないのだから試してみるに越したことはない。

    イメージを膨らませ、見よう見まねで手の当て方や力加減を工夫し、当時の同僚

    に頼んで患者役を引き受けてもらっていた。

     

    当たり前の事だが、そう簡単にヒカガミの緊張は取れず、そうかと思えば上手に

    取れるときもあり、全くもって簡単に見えて本当に奥が深く、難しいので夢中に

    なって何回も本を読み進めつつ、毎日爪先上げの操法(第一分析)施していた。

      

    記憶にある体験で最も印象的なのは、ご婦人の眼の窪みの病態変化だった。

    この体験は未だに忘れられない。

    その婦人を正面から見ると、片方の眼窩が大きく窪んでいる。正常な片方の眼球

    に比べて引っ込んでいるのである。相当目立つ場所だけに本人も気にしている。

     

    昔、大病を患ってから急に変化してしまって何をしても治らないという。

    私は按摩を行ったあと、いつものように仰臥位で膝を曲げて頂き、爪先を反らし、

    背屈して脱力するだけのような、稚拙な第一分析まがいの操法を行って終了した。

     

    ところが驚いたことに、次の日も按摩を指名されてたので部屋に行ってみると、

    そのご婦人は私に会うなり、喜び勇んで駆け寄ってきて大きな声で言い放った。

    「見て、先生!眼が膨らんできたのよ!」と、 ビックリしたのは私である。

     

    確かに昨日と比べると、明らかに左右眼窩の窪みには、差が無くなっている。

    これには仰天してしまった、が同時に不思議と覚えているのこともある。

    その刹那、瞬時に“これは私の治療効果ではない”と直感が囁いていたのだ。

      

    注:注釈~回顧録

    当時の私は、熱海の鍼灸指圧師の専門学校に入学して、熱海に住みながら毎日、

    視覚障害者協会の副会長で、治療院を経営する先生を頼りに、丁稚奉公しながら

    三年間でのアルバイトで学費を稼いでいたのです。

     

    そんなある時、通っていた学校図書室で手に取った一冊の本。

    それは「万病を治す妙療法」という変わった題名の運命の書。

     『きもちがいいということ、これっていいことなんだ!』

    当時の私は、この事実に目を剝いて興奮したのを思い出します。

       

     ただ、実際に施していた按摩は、ほとんどの方はお酒を飲んでいたせいもあり、

    習いたてほやほや下手な按摩でも、すぐイビキをかいて寝てしまうことが多く、

    『これでいいだろうか?』と疑問を感じながらも生活のために行っていました。

    回顧録終了~ 

     

    そういえば、 熱海ってバブル景気が終わってから、一時相当寂れてたんです。

    ところがどっこい、ここのところ観光客がV字回復しているってご存じですか。

    一時癒やす温泉場から、愉しく関わる温泉場になって人気急上昇なんですよ。

    熱海の奇跡

    熱海の奇跡

     

                                     (続く)

     

    今年も操体マンダラ、海の日に開催致します。

    ※「操体マンダラ」とは?

    三浦寛が一日、操体の最新情報について語る、操体三昧の一日です。
    弟子一同にとっては「師匠孝行する日」。

    東京操体フォーラムや、通常の講習では語りきれないことを、

    存分に出していただこうという算段です。
    今年からはリクエストにお応えして、10時〜21時の開催になります。

    昼食会
    サイン色紙&ツーショット撮影会

    足趾の操法®アドバイザー認定、操体プラクティショナー認定式、

    今年より「足趾の操法指導者」認定を行います。

    開催日時:2019年7月15日(月)海の日
    10時〜21時 ルーテル市ヶ谷センター

    ★予約制で、当日の参加受付はありません。ご注意下さい

    https://www.sotai-miura.com/?p=1314

  • みなおせること⑦

    曰く、第3の脳、外部の臓器=外臓、ともいわれる皮膚。

    この皮膚こそは、知るほどに実に重要で、魅力的なのだとわかる。

     

    例えばその一つ、骨や内臓、結合組織との繋がりである。

     

    経絡上にあるとされている経穴、つまり「ツボ」というものは、常時

    あるものではなく、からだに異常が現れている時に現れるという。

    (※:諸説あり、ワタシの支持している解釈の一つです)

     

    ならば、ツボの反応も異常感覚と言えるのだから、本来の皮膚表面に

    ゆとり()を保っていれば、おのずと流れているものは流れて、除か

    れる者は除かれ、熱を帯びるものは帯び、痛みは鎮静に向かうもの。

     

    それこそ、自力自療が成立するヒントであって、日本医学でもあり、

    臓腑弁証や経絡現象の漢方医学と、筋筋膜によるファッシァ論による

    現代医学との架け橋にも通じてくるのではないだろうか。

    (※:ファッシア=狭義の筋筋膜のこと。広義は、様々な膜の連なり)

     

    今回のテーマは「改めて見直してみる」であった。

     

    創始者は弟子に、弟子は伝承者となり、発展させて次世代へ繋げる。

     完成固定されたものではなく、常に流動的であり活きて生き続ける。

     改めて見直してみると、操体も伝統を受け継ぐこと。

     

    それは、生命感覚を通して、「快」の本質を理解する操体の第2分析、

    連動が人によって違うなどという、ヘンテコな理屈を解除すること。

     

    本来の”からだの連動性”は、客観的にも感覚的にも分析可能である。

     

    そして、「からだの無意識」というプロセスを経て「快」でありつつ、

    「予備感覚」という原始感覚に触れ、更に空間を介して第4分析へと、

    操体の哲学を生かし深化している。 

     

    そこだけでは、とどまらない止まらない。

     

    東京操体フォーラム三浦寛理事長の語る、操体の進化はシンプルな深化

    であり、操体は次元を更新して自然法則の応用貢献を成す。

     

    畠山常任理事曰く「操体の家元が最もアバンギャルド」を地でゆく。

     

    それを感じる貴重な機会がいよいよ4月29日に開催されるのだから、

    皆さんも、直に今の操体に触れてみては如何でしょうか!

     

    それでは、一週間のお付き合い有難うございました。

    明日からは、香実行委員の登場です、お愉しみに~!  

     

    2019年春季東京操体フォーラムは4月29日の開催です。
    テーマは2018年秋に引き続き「身体芸術と操体」です

  • みなおせること⑥

    操体法は、治療者の立場に立たず、治すのは受ける側の本人であり、

    その能力を発揮しているのは、”からだ”にあり、そのものである。

     

    言い換えれば、症状そのものこそ、治してくれる立場なのである。

     

    しかし、本人にとって不都合なこの症状は、現代医学でも標的と

    なっているため、症状を押さえつけること=治していること、と

    勘違いしている人は、この日本では未だに多いように感じる。

     

    事実「治す」というものは、取り扱い困難な立場におかれており、

    現代医学では取り扱いの困難になってしまい、「自然治癒力」の

    働きは、あまり現役臨床の医師の立場からは聞かれることもない。

     

    ちなみに、「痛み」というものさえ、厳密には未だにわからない。

    脳で感じるとか、身体の奥でおこるものだけでなく、皮膚の表面に

    れるものということを、ようやく現象科学的に伝えはじめている

    くらいなのである。

     

    それは、筋筋膜というものが関与していて、それぞれ今まで人体を

    解剖する際に邪魔なものとされ、全く見向きもされなかったのだ。

     

    閃めく経絡(ひらめくけいらく)―現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス

    閃めく経絡(ひらめくけいらく)―現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス”が挑む!

     

     

    ところがどっこい、これは”コラーゲン”でできていて”重力”を

    通じて、それ独自に電気を発生することができるだけでなく、なん

    と伝導も行っていたのである。

     

    生きている人間の「膜」それを測定出来るようになって初めて認識

    することができたわけで、今までは無視していただけで、目に見え

    ないものは無かったのでなく、それを測定する工夫がなかったのだ。

                                (続く)

                           

     

    2019年春季東京操体フォーラムは4月29日の開催です。
    テーマは2018年秋に引き続き「身体芸術と操体」です

  • みなおせること⑤

     (続き)

    皮膚を改めて見直してみることで、ハッキリと臨床は変わる。

     

    あらゆるデータを学んで、頭にたたき込んで覚えていったとしても、

    一人の人間が生まれてから死ぬまでに学び取るコトを、自分だけの

    手柄にしようと目論んでいても、たかだか知れている。

     

    それこそ、西遊記孫悟空がどんなに力を誇示しても仏様の掌の上

    だった事に似ている。

    (↓西遊記といえば)

     西遊記 DVD-BOX 1

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    それよりも、元々あるものを生かして、いや、お借りして使わせて頂く。

     

    皮膚は重力も感じとり、光も感じる。

     

    その感じた光の波動や、重力の方向性を、皮膚だけでなく神経を通じて、

    感覚神経・求心性ニューロンだけでなく、運動神経・遠心性ニューロン

    自律神経を介して内分泌系の調整をしているのではないだろうか。

     

    賢い皮膚―思考する最大の“臓器” (ちくま新書)

    賢い皮膚―思考する最大の“臓器” (ちくま新書)

     

     

    全てとは言えないまでも、皮膚の持っている感覚を学問を通し、臨生をとおし、自分自身を介して解明する努力は続けたい。

     

                                (続く)

     

     

    2019年春季東京操体フォーラムは4月29日の開催です。
    テーマは2018年秋に引き続き「身体芸術と操体」です