投稿者: karib_sotai

  • 「般若身経」からのメッセージ(2)

    「補中益気湯」

    その原典は「内外傷弁惑論」「脾胃論」、名の通り中焦(胃)を補い、気(元気)を益す薬で、すべてに力なく、倦怠感の著しい人に用いられます。

    別名「医王湯」とも呼ばれ、古今名方中の傑作とされています。

     

    種々の解説本を読んで要約すると「身体が虚すということは、脾胃が虚すということである」となります。

    『勿誤薬室方函口訣』(浅田宗伯)によれば、小柴胡湯証の虚証の場合に用いなさい、となっています。

    「小柴胡湯」は、少陽病(外証(胸部の症状)が常に存在し、表位(頭、頚、肩背)と裏位(中焦)とに病邪が往来して発言する陽病)の代表的漢方です。

     

    脈弦、白苔

    口苦:口が苦く感じる

    咽乾:咽喉が乾燥すること

    目眩:めまい

    往来寒熱:悪寒と発熱が交互に現れる熱型

    胸脇苦満:胸脇部が悶満してすっきりしない状態(柴胡剤を用いる大切な目標★)

    黙黙不欲飲食:気分が重く、だまりこくっており、飲食物を欲しようとはしない

    心煩:心中が煩躁・煩悶して、胸が苦しく感じられる

    喜嘔:たびたび吐く

    などの症状があります。

     

    この証の虚証タイプであるので、

    脈芤(散大無力)、往来寒熱や胸脇苦満は少なく、消化機能が衰え、手足倦怠、腹壁軟で動悸を触れる状態にあります。

     

    2020年秋季東京操体フォーラムは11月23日(月)勤労感謝の日 オンライン(zoom)開催致します。テーマは「操体法クロニクルズ」他。
    登壇 三浦寛、半蔵、岡村郁生、瀧澤一寛、三浦寛幸、寺本雅一、畠山裕美他

    www.tokyo-sotai.com

  • 「般若身経」からのメッセージ(1)

    臨床で観察していると、患者さんは右重心の人が多い傾向が見られます。

    一般に右利きの人は右手の使用頻度が高いために、右重心の人が多いと言われています。

    しかし、左利きの人にも右重心の人は居るのが現実です。

    私の見るところでは、人間は疲れる、体調が悪い、という状態になると、どうしても右重心になる様です。

    それは、人体で最も重い実質臓器である、肝臓が右にあるからではないかと思われます。

    人間は、健康状態が傾斜して、病的状態に近づくと、正中を維持できなくなるのではないか?病名診断がつく前(未病)の状態の時に、健康に戻すためには、正中ではなく、一寸(ちょと。2.5㎝)左に寄せるべきなのではないか?私にはそう思えます。

    (ちなみに、私は内臓逆位の患者さんに2例出逢ったのですが、その方々は身体の反応の出方が左右逆でした)。

     

     

    疲れる、体調が悪い、という状態を、東洋医学では「虚する」という表現をします。

    からだが虚するという事について「補中益気湯証」を通して考察してみたいと思います。

     

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  • 「般若身経の解説7~点を線にしていくために~」

    本日で最終日になりますが一週間を通じて一日ずつテーマを設けて般若身経を理解するために大切なヒントを書いてきましたが、これらは全て繋がっています。

     

    それを一つの線にしていくことは自身のからだを通じて学習していくことが一番の近道ではないかと思います。

     

    般若身経も生き物ですので、これからも進化してきますし、その進化に適応していくために私達は日々からだとからだの動きと向き合っています。

     

    その過程の中で感じたこと、気が付いたことを学びの中で共有していくことが般若身経の栄養になり、新たな学びの種にもなっていくのです。

     

    一週間お付き合い頂きありがとうございました。

     

    来週からは半蔵さんの出番です。

     

    お愉しみに。

     

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  • 「般若身経の解説6~からだの正常な感覚をききわけるために~

    操体を学んでいく中で重要なキーワードとなるのが「感覚のききわけ」です。

     

    橋本敬三先生はこの感覚を「勘」とも言われていましたが、人間が本来持ち合わせる感覚を原始感覚といい、この感覚には本来「快か不快」しかないと操体では説いています。

     

    操体の臨床の中ではこの感覚との繋がりを重要視し、それを成すために「からだにききわけて」というキーワードを施術者は用いますが、これも般若身経がベースとなっています。

     

    もちろん一人一人のからだ(つくり)も違えば、動きも、それまでの生き方も変ってくるので感じる微妙な感覚の違いはあるかと思いますが、臨床の中にしっかりと般若身経が土台にあれば自ずと「からだにききわける」ということも可能になってくるように感じています。

     

    その下地になるものがあるからこそ、操体の臨床は患者の症状・疾患に捉われず、橋本敬三先生の言われていた「治すことまで関与しない」臨床も成立するのだと思います。

     

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  • 「般若身経の解説5~指導することにおける注意すること~」

    先日ある占いの学校を運営している先生がこんなことを言っていました。

     

    「大抵の先生は占ってクライアントが満足したということに満足してしまっている。これから何をすれば良いのかという具体的なアドバイスが出来ない人が多い。本当にその道を究めようとしている人はそれが出来るのよ。自己満足せず相談を受けた後のことも含めてアドバイス出来る人が本当のプロよ」

     

    この話を聞いて私も操体の臨床も全く同じことだと思います。

     

    患者自身が同じことを繰り返さない、または病気にならないようにするには予防が必要で、それを指導することも臨床の一つです。

     

    その指導することにおいて般若身経は大きな武器になる。

     

    自身がからだに行っていくことにおいて、自ずと「からだと動きを見る目」も培われてきますので、般若身経は自身の「型」であるのと共に診断、そして治療にも繋がってくるということになります。

     

    そういった繋がりがわかってくると、臨床はただ患者が訴える症状・疾患を治せばよいというものではなくなってきます。

     

    その後の指導も含めた予防となるものを臨床の付加価値として付けていくことが一流の臨床家になることに不可欠なことではないでしょうか?

     

    それがあるか否かで患者とからだのちょっとした意識のスイッチの入り方が変わり、臨床後のからだとの向き合い方も変わってくるのだと思っています。

     

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  • 「般若身経の解説4~自然体立位の重要性~」

    般若身経を学習するうえで、その立ち位置を学習することはとても重要なことです。

     

    昨日書いたからだの使い方、動かし方のルールに乗っ取った動きも全て自然体立位から始まります。

     

    この立位のポジションも橋本敬三先生の時代から進化してきているが、なぜ進化してきたのかを考えなければならなかったのか。

     

    その中で「何が人間のからだにおいて自然な状態なのか」を考えなくてはならない。

     

    橋本敬三先生の著書「からだの設計にミスはない」の中で自然体を「ホッと一息はいて腰をちょっと落とし、膝をゆるめて全身バランスをとる」と記載しています。

     

    この捉え方も手は小指、足は親指を運動力点、運動作用点としたからだの使い方、動かし方を元に考えられたものでありますが、この記載の中にある「膝を緩める」ということが「からだにとっての自然」を理解することにおいて重要なことになるのです。

     

    自身の臨床の中でもこの「膝(現在は膝の裏筋)を緩める」ということの指導を行っているが、意外とこれが出来ない人が多いです。

     

    それが出来ない人の特徴として腰が反っている、肩が挙がっている、背中が固まっている人が多いですが、こういった人達に一番効果があるのが日常動作の中で意識的に「膝の裏筋を緩める」ということを指導することで病の原因となる日常動作も自ずとからだが悦ぶものとなってきます。

     

    それが自然に出来なければ手は小指、足は親指を運動力点、運動作用点にしたからだの使い方は出来ないということです。

     

    先日書いた腰の状態と共にこの膝の裏筋の状態も般若身経において非常に大切なことで、操体の臨床の技術を身に付けることにおいても、これらが出来ていないと身に付けられないように感じます。

     

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  • 「般若身経の解説3~腰を要とした動きから末端主導の動きへ」

    般若身経も橋本敬三先生が創案された時から時間の経過と共に日々進化しています。

     

    当時は「腰」を要としたからだの使い方、動かし方から「末端」(手関節、足関節)を主導にした動きへと進化してきました。

     

    その進化の背景にはからだの動きにおける「腰」の捉え方の変化があるように思います。

     

    橋本敬三先生は当時腰を中心に集約する動きを様々な著書で示されていて「からだの中心腰が動けば、全身が動く」という捉え方で般若身経を説かれていました。(※捻転のみ末端)

     

    しかし時間の経過と共にこの腰は「動かすもの」という捉え方から「動きを安定させるもの」へと捉え方が進化し、その流れもあって現在は動きは末端から表現するようになっています。

     

    この時の腰の状態は前彎曲(一般的には骨盤が後傾)した状態になり、この状態で動きを表現することが般若身経の基本になってきます。

     

    その状態で動きを表現することが理解出来てくると、からだの動きは腰椎を動かすのではなく、胸椎を作動させること、そしていかに背中を解放し使っていくことの重要性が理解出来てくるのです。

     

     

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  • 「般若身経の解説2~運動ではなく、動くことにおけるルール~」

    では本題に入りますが、般若身経とは橋本敬三先生が生前「般若心経」になぞってからだの使い方、動かし方のルールを説いたものです。

     

    からだの動きには基本8つの動き(前屈、後屈、左右捻転、左右側屈、自力では出来ないが牽引、圧迫)があり、その動きを行うには重心を安定させること(重心安定の法則、重心を移動させること(重心移動の法則)、連動の法則、そして一つの相関性(呼吸)があると示されている。

     

    橋本敬三先生の各著書ではこの般若身経を「生き方の自然法則 」(息・食・動・想)とし、その中の「動」の項目の中で身体運動の法則として様々なやり方を示されています。

     

    橋本敬三先生らしい実にユーモアなセンスで命名されていて、覚えやすい名称なのですが、これを理解する上で重要なのはからだの使い方、動かし方のルールであって、決してエクササイズ(運動)ではないということです。

     

     

    私が操体を学び始める前に参加したフォーラムで三浦先生が参加者に対し「般若身経はエクササイズではなく、からだの使い方のルール」だということを何度も説かれていました。

     

    当時は一般的に行われているラジオ体操との違い等を参加者に出来るだけ分かりやすく説明をされていましたが、私がこの般若身経を「からだの使い方、動かし方のルール」だということを理解するまでに膨大な月日がかかったのもこの違いを理解出来ていなかったからなのだと思います。

     

    般若身経をエクササイズとして捉えてしまうと、どうしても日常の限られた時間の中でしかやらなくなる。やはり普段の日常動作からからだに学習させ浸み込ませていくことが大切なことなのです。

     

    この違いを理解するためにも普段からこの法則性を意識してからだを使い、それを無意識に実践出来るように自身に学習させていくことが非常に重要なことなのだと思っています。

     

     

     

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  • 「般若身経1~生き方に関わる重要な法則~」

    三浦先生、一週間ありがとうございました。

     

    今週からは三浦寛幸が担当致します。お付き合い下さい。

     

    テーマは引き続き「般若身経の解説」になります。

     

    まずこの解説を行う前にお伝えしておきたいことは、私の操体史はこの般若身経を理解することと共にあると言っても過言ではないということです。

     

    この理解度によって操体の理解度、そして自身のからだとの向き合い方、もっというならば「生き方」そのものも変わってくるということになります。

     

    般若身経がこれだけスケールの大きい話だと言い切れるのも人間が病になる元の元の原因の一つには「正当なからだの使い方」が出来ていないことが挙げられます。

     

    橋本敬三先生も「人間は誰でも健康で幸福に一生をおくれるように、チャンと設計されているのだ。それが実現されないのは生き方の自然法則からはずれているためで、この法則にそむくと身心の姿と動きに歪みが生じ、身心のバランスがくずれて病気になる」(からだの設計にミスはないP38より)と記されています。

     

    人間が身心共に健康に生きることのその法則性を説いたものを橋本敬三先生は4つの「生き方の自然法則」と題し、呼吸(息)、飲食(食)、からだの動かし方(動)、精神活動(想)と分けて、それぞれの法則性を説かれています(※それぞれは同時相関相補している)

     

    今回のブログではその「動」の中にあるからだの使い方、動かし方の法則を説いた般若身経を解説していきますのでよろしくお願い致します。 

     

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  • 般若身経について(7)

    学びの三樹(生命樹)。

    根の木、又木、宿り木。

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    非道不行(孔子:孝経*)道に非ざれば行はず

     

    まどわされず、まっすぐな道を学べ

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    *孔子の弟子であった曽子の門人が孔子の言を編纂したものといわれている
    「非道不行」は、孝経の「卿大夫(けいたいふ)」に書かれている言葉

     

     

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