投稿者: karib_sotai

  • ひだり1

    操体法ではからだの使い方に作法があると学びます。

    その作法の1つに、動作の中で、左足を右足より半歩前にだし、からだを使う(動く)という作法があります。この作法をするかしないかで、毎日使うからだの状態は大きく変化します。

     

    私は現在農業をしています。以前は事務職だったので、その時の生活と比べるとからだを使う頻度が多くなったことは確実です。当然ですが周囲にいる人たちも農業に関わっている方が多く、作業をしている姿を目にする頻度も多くなりました。

     

    属するコミュニティの変化により、膝、腰、首が痛いという話を聞くことも格段に増えました。

    そのような悩みを聞いた時に、「左足を右足より半歩前に出して作業をしてみてください」と伝えています。すると、作業によりからだを動かす時間も多いので、半日ぐらいすると、自分のからだの変化にきづく人がたくさんいます。

     

    毎日作業をし、からだを使うので疲労度、痛みが軽減することで、作業効率もあがります。

    農業を長く続ける秘訣だと実感しています。

     

    人生100年時代。からだを壊さずにつかう、からだを自らが手入れして使うことがますます求められているとかんじています。

     

  • ひだり

    今日から香です。よろしくお願いいたします。

     

    左が今回のテーマですが、左は、右があって成り立ち、

    右も左があってなりなっているのだと、当たり前ですが思います。

    テーマになることで、普段考えないことを考えるきっかけが生まれます。

     

    私は普通自動車免許をもっていますが、自動車教習場で

    「キープレフト」を習ったことを思い出しました。

    日本では、車の通行が左側に定められているからこその学びでした。

     

     

  • ひだりの道 ⑦

     最終日は五官のうち、 「利き耳」 についての 「ひだり理論」 を展開したい。 耳は、能動的な目とは反対に、気持ちを聴くとか、悩みを聴くというように、聴くという受動的な人の心に関する感覚器官でもある。 たとえば、患者さんに対する問診においても、視覚の左目線と同じように、耳についても 「左耳」 で聴くことで、ひだり重心に意識を通すことができるのである。

     

     耳は脳に作用するだけでなく、自律神経の他、身体のあらゆる神経に影響を及ぼしている。 音を聴きとる聴覚神経だけでなく、身体の姿勢や運動を感知する三半規管からの神経は、脳内で自律神経と密接な関係を持っている。 特に自律神経は呼吸や心臓の鼓動、体温調節など、意識の支配下にはない生命活動の根幹を統制している。 それゆえ耳の機能低下は自律神経の失調を招く原因にもなっている。

     

     これまで述べてきたように人間の身体は必ずしも左右対称ではなく、利き目や利き腕と同じように、耳にも 「利き耳」 がある。 音楽を聴くときは、左右ほぼ均等なのに対して、言葉を聴くときには左右どちらかの利き耳で聴きとっている。 また人間の身体と脳との関係は左右が逆になっており、右半身は左脳が、左半身は右脳がそれぞれ担当している。 脳の機能は左脳が言語や論理的判断をし、右脳がイメージや感覚、それに情緒的な事柄を受け持っている。

     

     自律神経系に影響を及ぼすのは、左脳が行う言語処理の右耳ではなく、感覚的・情緒的な処理を行う右脳につながっている左耳の方である。 当然、からだの感覚を聴き分けるのも 「左耳」 ということになる。 ということは、「左耳」 で聴くことによって右脳を使うことになるので、心身のバランスを回復し、自己治癒する効果がある。  この時の脳波は、アルファ波が表れ、ベータエンドルフィンが分泌される。 これによって免疫細胞の活動が高まり、心身が癒され、ストレスが解消されることになる。

     

     この 「利き耳」 についても 「目線」 と同じように、実際の 「耳」 そのもので聞くのではない。 脳の機能の中で音の情報を処理するのは、側頭部にある 「聴覚野」 と言われる部分である。 この聴覚野は耳の位置より少し上にある。 そして、左側頭部の聴覚野に耳をイメージして、その部位を 「イメージ耳」 として意識をおき、その 「ひだりイメージ耳」 から聴くことで耳が緩み、本当の意味での、からだの声に耳を傾けることができるようになる。

     

     「ひだり理論」 における五官という感覚器官について少しコメントを。 まず、味覚である 「舌」 と触覚の 「皮膚」 は、対象物との距離がゼロ、つまり直近の接したところに生じる感覚である。 これに対し、視覚の 「目」 と聴覚の 「耳」 は離れた位置の対象物を捉える感覚器官になっている。 そしてその両方にまたがるのが、「嗅覚」 の 「鼻」 であるが、同時に鼻孔という呼吸器の出入り口でもある。

     

     離れた位置の対象物を捉える視覚の 「目」 と聴覚の 「耳」 は、人間にとって動物学的にいちばん発達している感覚器官であるが、即ちそれは人類において、目と耳に大きく依存して生きているということだ。 そして人類は目の視覚と耳の聴覚とを 「連動」 させることにより、「フォーカシング機能」 を持つことができたのである。 

     

     このフォーカシングというのは、対象物に焦点を合わせて他と区別する機能のことで、他の哺乳類に比較して、より脳の機能を優位に活動させることができるようになった。 たとえば、西洋医学における診察においても、患者さんという個体の状態を目の 「視覚」 で認識し、聴診器という器具でもって個体の声を耳による 「聴覚」 によって聴くのである。 このように目と耳を連動させることは、人類の生存にとって最も重要で特別な働きを担っている。

     

     おわりに、今回のテーマは私的にとても興味深いものだった。 テーマにもとづいて言いたい放題、縦横無尽に思考を放し飼いできた。 特に呼吸においては長年、個人的に研究してきたことから言いつくせないことが多々ある。 呼吸というものは身体の生理機能のなかでも極めて特殊な地位を占めている。 呼吸は自律的な機能であるものの意志によっても大きく影響を及ぼすことができる。 コントロールできる呼吸の速度や深さの促進は、心理的防衛を和らげ、無意識的、超意識的素材の解放や浮上へと導いてくれるのである。

     

    明日からは香さんの担当です。 お愉しみに!

     

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • ひだりの道 ⑥

     ヨーガのチャンドラヴェーダー(月の気道である左鼻腔を中心にする呼吸)では、「ひだり理論」 に基づく左鼻腔を中心に行う呼吸法であるが、この時、同時にもうひとつ行われなければならないことがある。 それは五官のうち、「舌」 を使うことである。 口を軽く閉じ、舌先を少し巻き上げて、その裏側を上あごの左側につけて行うものだ。 このように五官のうち、「舌」 をコントロールすることをヨーガでは、「ナボームドラー(日常の秘された実践)」 といい、唾液を溢れるように湧き出させそれを健康につなげている。

     

     チャンドラヴェーダーのように左鼻腔を中心に行う呼吸法において、このような 「ひだり理論」 に基づく舌の作法を行うことで、唾液が口中に溢れてくることになるが、ヨーガ経典によると、この唾液をそのまま飲み込むように説かれている。 唾液には、癌や老化を抑える酵素であるペルオキシターゼやパロチンというホルモンが含まれている。 この唾液の効果について、仙道では、「玉液」 や 「霊液」 と呼び、「唾液を飲むと、気の補給になり、老衰することはない」 とも言われている。 

     

     また 「舌」 をコントロールすることにより、舌が内蔵全体と繋がっているのを感覚できる。 舌先を少し巻き上げて、その裏側を上あごにつけると、内臓が反応して動いているのを感じるはずである。 舌は本来、内臓の一部であり、一体として繋がっているのに、普段は内臓から切り離して使っている。 それは一種の緊張状態を作り、その緊張を解くのが、このナボームドラーである。

     

     「ひだり理論」 における 「ひだり側」 というのは、重心軸での利き足や生命素の通り道である左鼻腔だけではない。 五官という感覚器官のうち、「目」 や 「耳」 などの対になっている感覚器官にも、すでに述べたとおり、「左の道」 として 「月の気道」 である 「鼻」 と同じように、「利き目」 や 「利き耳」 がある。

     

     視覚である 「目」 は病気を「診る」 や 「看る」 も 「見る」 につながる能動的な言葉だ。 ハタ・ヨーガのアーサナ(体位法)においては、目線をつけて呼吸と動きにつなげているが、操体でも、「重心の安定・重心の移動」 におけるからだの動きに目線をとおすことにより、意識をより意識づけるとともに、その動きの一つの目的でもある 「連動」 を促してくれる。 この目線についても当然、重心軸側の 「ひだり目線」 になる。

     

     ただし、この 「目線」 であるが、正面についている実際の 「眼球」 のことを言っているのではない。 つまり、「眼球」 そのもので見るのではないということ。 それはちょうど目の裏側にあたる後頭部の奥に脳の 「後頭葉」 が位置しており、その左右の位置に 「視覚野」 という部位がある。 目から入ってきた情報をこの視覚野で処理して視覚情報として脳は認識しているのである。 

     

     そして、ここで言う 「ひだり目線」 というのは、目の裏側にある後頭部の左側の視覚野に 「目」 をイメージして、その 「ひだりイメージ眼球」 でもって目線を通すことなのである。 そうすることで、実際の眼球から視覚の意識が薄れることになり、眼球を動かしている筋肉や頸部の緊張も緩み、これに連動する上肢が滑らかに動くようになる。 「ひだり目線」 は、このようにすることで視野が拡がり、からだの動きも変わってくる。 

     

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • ひだりの道 ⑤

     これまで話してきたように地球の有機生命体が月の影響なくして存在できないのと同様に、月も地球の有機生命体がなくては存在できない。 それは地球の有機生命体こそが月を養っており、すべての人間、動物、植物は月の食料であって、月は地球上で生き、成長するものを食べて生きている巨大な生き物なのである。 

     

     また月の成長と暖化のプロセスは、地球生物の 「生」 と 「死」 に直接結びついている。 地球生物のすべての死は、それ自身に生命を与えていたエネルギーの一定量を解放し、そのエネルギーの素粒子は、巨大な電磁石である月に誘引され、そして月を成長させる暖かさと生命を月にもたらすのである。 宇宙全体の経済という観点からは何も失われるものはなく、ある時点での働きを終えた一定量のエネルギーが別の次元へと移転するに過ぎないのだ。 これがいわゆる宗教でいう 「輪廻転生論」 である。

     

     さて、いよいよ 「ひだり理論」 の核心へと入っていくことになるが、それはプラーナ(生命素)の通り道であるイダーナーディー(左の道)、またはチャンドラナーディー(月の気道)とも呼ばれる気道の内容に深く関係している。 左の道である月の気道に何故、これほどまでに執着するのか? それはすでに触れた内容であるが、現代医学があまり考慮しない、不定愁訴の 「自律神経失調症」 に大きく関わっているからだ。

     

     この自律神経というのは、体温をはじめ、血圧、血糖、呼吸、瞳孔の大きさ、汗や唾液の分泌、尿の排泄、消化管の働きなど、多くの調節が行われている。 その調節は、エネルギー消費を伴う 「交感神経」 と、それとは逆にエネルギー消費を抑制、蓄積する 「副交感神経」 のバランスによるものである。 それがアンバランス、つまり、どちらか一方に偏りすぎると、二大白血球(顆粒球、リンパ球)の過剰反応により、病気が発症することになる。

     

     自律神経のアンバランスについて、ストレスによる交感神経の異常緊張と、ストレスを避けることによる副交感神経が優位になる疾患とがある。 これらのバランスを考えたとき、心臓の左胸からの拍動音とともに自律神経には、からだの左右バランスが関係していて、体重の多くを支えている方の足を 「自律神経系の利き足」 と言い、「支点にかかる力」 の足であると、先に述べたとおりである。 また自律神経系に関するからだの 「重心軸」 においても、左右の利き足に関係なく常に 「ひだり重心」 であるとも言った。

     

     我々の健康状態に深く関わっている自律神経系と呼吸の間には、相互に影響を及ぼしあっている強い関係が存在している。 というのは、呼吸を変えることで、本来意思の及ばない自律神経系を調えることが可能であるからだ。  自律神経のうち副交感神経につながる迷走神経は、脳の延髄、橋から出ているが、同じ部位に呼吸中枢があるため、双方での神経間はお互いに強く関連しあっていることから、呼吸運動次第で迷走神経活動をコントロールできるのである。

     

     このとき、からだの重心軸をひだりに置くのは、月の引力の影響により、地球の自転軸の傾きが人体にも影響を及ぼす。 つまり、心臓の拍動が左胸から聞こえることと、人体の機能においても 「ひだり重心」 にして月の気道である左鼻腔での呼吸と意識を融合させることによって、自律神経のバランスに働きかけるものである。

     

     そのときの呼吸における心臓の拍動については、吸気のとき速くなり、呼気では遅くなる。 これは肺の機能に 「伸展受容体」 というセンサーがあり、このセンサーを使って脳が常に監視しているからである。 この情報をもとに、脳内にある心臓血管中枢が心拍数を変化させている。 これを西洋医学では呼吸に合わせて脈のリズムが変わるので、「呼吸性不整脈」 と呼んでいる。 この呼吸性不整脈が大きいほど、心臓は望ましい状態であり、また自律神経もバランスが取れて調っている。 すなわち健康であるということだ。

     

     このようにひだり重心は意識と呼吸にも深く関係している。 からだのひだり重心といのは、調気においても 「重心軸はひだり」 であることから、ひだりの鼻腔に意識をおいて、「吸気」 から呼吸を始めるものである。 すなわち、これはヨーガのチャンドラヴェーダー(月の気道である左鼻腔を中心にする呼吸)において、イダーナーディー(左の道)に、プラーナ(生命素)を通すことにつながる。

     

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • ひだりの道 ④

     昨日と同じ 「ひだり理論」 の続きで、「月」 と 「人体」 に関する生命体とナトリウムの続編である。 

     

     45億年前の地球と月の距離が12分の1というのは、潮の満ち引きにおいて壮絶なものであったことが想像できる。 万有引力は距離の自乗に反比例するので、引力は12の自乗になり、144倍になる。 つまり月がもたらす潮汐力は現在の100倍以上のエネルギーで、月の引力による潮の満ち引きが行われていた。

     

     その頃の月は、現在の4倍の速さで地球の周りを回り、また地球も6時間で1週するという速さで自転していた。 干潮と満潮は、地球の1自転において、それぞれ2回訪れるので、1時間半ごとに干潮と満潮が繰り返されていたのである。 

     

     この時期の地球は、月の引力で生じる潮の満ち引きで、凄まじい台風並みの大嵐が常に起きていた。 これにより地殻は潮の流れで削られ、大陸にまで海水が押し寄せた結果、ナトリウムが一気に海に溶け出すことになり、この時点から海水は初めて現在の塩水となったのである。 

     

     我々の生命を育む塩水という海の環境は、月が地球のすぐ近くを回る惑星であったためにもたらされたものだと言える。 それは人も含めた現在の地球上の動物がナトリウムイオンを使って神経や筋肉をコントロールして生命を進化させてきたことであり、これは生物学における常識となっている。

     

     そして地球の誕生後、30億年が過ぎた頃、今度は、月が地球から離れていくことになり、海が穏やかとなって、その潮汐力は現在とほぼ同等になったと考えられている。 そこで当時の生命体は酸素呼吸で得られる莫大なエネルギーを利用して、細胞と細胞を結びつけるコラーゲンを作り出し、我々の祖先である 「多細胞生物」 が誕生したという仮説が最も有力である。

     

     ここで話を 「ひだり理論」 に戻すと、 ヴェーダ文献によれば、左の道であるイダーナーディーは、月のエネルギーを運ぶと言われている。 それは物理的にも月が地球にもたらす引力のおかげで地球の自転軸を安定させてくれたというものだ。 月は地球に対して均等に引力を及ぼし続けてくれたことによって、地球の自転軸がこれ以上傾くのを防いでくれた。 つまり、月のみが地球の自転を守ってくれていることになる。

     

     地球は自転しながら太陽の周りを公転しているが、自転運動の中心軸は公転する面からみて垂直ではない。 地球の自転軸は23.4度傾いており、そのため季節の変化が生じている。 もし月の引力がなかったら、木星の引力の影響を受けて不規則に変化するので自転の中心軸も歪められてしまい、その結果、もっと傾いてしまう。 そうなると、灼熱地獄と極寒地獄が繰り返され、高等生物は死に絶えてしまうだろう。

     

     そのような月は、人体の機能にも少なからぬ影響を与えていることが明らかになっている。 月の引力の影響を受けている潮の干満と同じように、我々の体内においても月による僅かな引力の差が何らかの変化を生み出しているものと考えられる。 38億年前に始まった月と地球生命との深いかかわりは、今なお形を変えて我々の細胞の中に脈々と受け継がれているのである。

     

     「ひだりの道」 と言われるイダーナーディー 、つまり 「月の気道」 は人体の機能にどのような影響を与えているのだろう。 地球の自転軸の傾きは人体の機能にも当然ながら影響はあるが、それよりも地球生物全般に対する月の影響は、地球上で起こるあらゆることにも現れている。 

     

     地球の惑星である月は、地球上の有機生命体の内部で起こるすべての出来事の動因の中でも主要な、いやむしろ最も関係の深い直接的なものである。 地球上の人間、動物、植物のあらゆる行動、活動、意思表現は月に依存しており、また月によってコントロールされているようだ。 

     

     地球を覆っている有機生命体の敏感な被膜は、その活力を吸い取っている月という巨大な電磁石の影響に完全に依存している。 他の生き物と同様に人間も、生命の普通の状態においては、月から自らを引き離すことはできない。 したがって人間の取るすべての動作と行為は完全に月にコントロールされているのだ。

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • ひだりの道 ③

    「ひだり理論」の始めは、イダーナーディー(左の道)と言われる 「月の気道」、すなわち地球を回る 「月」 と 「人体」 との関係について話を進めたい。 我々の生命を支える血液も、地球生命体を育んでくれた海水にも、塩分、つまりナトリウムイオンがたっぷりと含まれている。 このナトリウムは地球の惑星である 「月」 のおかげで海に溶け出し、なくてはならない生命活動の根幹元素として利用されるようになった。

     

     ナトリウムというのは、単体では金属だが、水と接触することで反応し、ナトリウムイオンになる。 そして塩化物イオンとともにナトリウムイオンが水に溶けているのが食塩水であり、地球生命体の中にあるナトリウムはすべてナトリウムイオンの状態で存在している。

     

     人体の細胞すべてが何らかの形でナトリウムを利用して活動しており、特に大きく依存しているのが、「神経細胞」 と 「筋肉細胞」 である。 神経も筋肉も、細胞膜にナトリウムイオンを通す穴が空いており、ここからナトリウムイオンが細胞内に入ってくると、神経細胞は興奮状態になり、筋肉細胞は収縮を始める。 このように細胞機能の働きはナトリウムによって実現されている。

     

     地球の生命体は38億年前に誕生し、その後15億年間は単細胞生物として海を漂って暮らしていたようだ。 やがて我々の祖先は多細胞生物へと進化し、ついには脊椎動物となって陸上に進出するに至った。 しかし、個々の細胞はナトリウムイオンが豊富に含まれた海と同じ環境の中でしか機能を発揮できない性質であり、今なお変わらないままである。 それゆえ、その機能を発揮するため体内に用いられたのが、海水と同等の塩分濃度を持つ 「血液」 であった。

     

     血液は赤血球や白血球の 「血球」 と液体成分の 「血漿」 から成っている。 このうち、血漿は毛細血管から滲みだしてリンパ液となり、全身の細胞は、このリンパ液に浸された状態で存在している。 つまり、人体はリンパ液によって海の環境を再現していることになる。

     

     人類が大自然の中で生き残っていくために、生命体として高度な機能を発揮するには、必ずミネラルが必要となるが、その第一番に必要なのがナトリウムである。 生命はこのナトリウムを用いて進化することができた。 故に我々生命体にとって地球の海が塩水だったことは、最大の幸運であったものと言える。

     

      銀河系の惑星の中でも地球に誕生した海がナトリウムを含む塩水になったのは、地球の周りに月が回っていたためであるということも明らかになってきた。 この塩水のおかげで現在の生命が進化できたのは間違いのないことで、それを知れば夜空に浮かぶお月様の見え方も違ってくるのではないだろうか。

     

     地球の海を作った水分は、彗星や火星と木星の間にある隕石が運んできたものであり、当時その水分にナトリウムは含まれていなかったことが分かっている。 海が塩水になるには、ナトリウムイオンと塩化物イオンの両方が必要であり、このうち塩化物イオンについては、火山ガスとともに地球の内部から地表に大量に供給されていたため、海が誕生した直後に溶け込むことになったものと考えられている。 

     

     水に塩化物イオンが溶けると塩酸になるが、地球の初期の海は塩酸を多量に含んでいたことになる。 もう一方のナトリウムは、地殻にある岩石などに含まれており、これが海水の塩酸で溶かされ、濃度の薄い塩水になったというのが有力説である。 そこからが左の道である 「月」 の出番となり、海水を現在の塩水の濃度にまで高めることになるのだ。 

     

     現在、月は地球から38万キロメートル離れているが、45億年前に誕生した月は、現在の12分の1の距離の3万2千キロメートルしか離れていなかった。 それゆえ地球に与えるその影響は絶大で、引力も大きかった。 ところが地球の自転は月の公転よりはるかに速いため、地球の引力は地球の中心方向よりも前方にずれており、満潮が先行する分だけ遠心力がついて、月はその加速により地球から遠ざかっていくことになった。 今もなお月は、1年に3.5センチメートルずつ地球から遠ざかっていることが分かっている。 

     

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • ひだりの道 ②

     病気に深く影響を与える自律神経には、からだの左右バランスが関係し、その左右バランスというのは、「重心軸の移動」 や 「体重が乗る力」 や 「支点にかかる力」 が大きな要因となっているということを昨日述べた。 そして、ヒトの体重というのは、左右の足で均等に支えているのではなく、左右どちらかの足で多く支えているのが分かっている。 

     

     その多く体重を支えている方の足を 「自律神経系の利き足」 と言い、「支点にかかる力」 の足のことを言っている。 もう一つは、サッカーボールなどを蹴るときの、主に足の操作に関係する 「体重が乗る力」 の足は 「運動神経系の利き足」 であり、これらを区別して話を進める。

     

      つまり 「自律神経系」 と 「運動神経系」 のそれぞれに左右どちらかの利き足が存在することになるが、自律神経系に関するからだの 「重心軸」 においては、左右の利き足に関係なく常に 「ひだり重心」 であるということを特筆しておきたい。 これはインドのヴェーダ医学の文献を参考に説明してみようと思う。

     

      ヒトのからだの中には、ナーディー(気道)というプラーナ(生命素)の通り道が七万二千本もあるという。 そのうち特に重要な三大気道というのが、ムーラーダーラチャクラ(絵陰部)からアージュナチャクラ(頭頂部)まで流れていて、スシュムナー(中央気道)を中心にイダーナーディー(左の道)とピンガラナーディー(右の道)が螺旋状に対をなして絡み合っていると言われている。 

     

     左の道であるイダーナーディーはチャンドラナーディー(月の気道)とも呼ばれ、 陰陽論でいう陰を司り、会陰部のムーラーダーラーチャクラから左の鼻腔へと流れて右脳とつながっている気道である。 そして右脳を活発にして、副交感神経を優位にする。 タントラなどの左道密教もこの流れを汲んでいる。

     

      イダーナーディー(左の道)とピンガラナーディー(右の道)は、サンスクリット語で 「月」 と 「太陽」 を意味するもので、イダーナーディー(左の道)は月のエネルギーを運び、女性性、生殖エネルギー、母性などを司り、浄化力がある。 ヨーガの調気法において、吸気は、通常、「左鼻腔」、すなわち イダーナーディー(左の道)から始め、呼気については、「右鼻腔」、つまり、ピンガラナーディー(右の道)へと流れていくのだ。

     

     こうした左の道である月の気道は、器質的な病変は特に認められないものの不定愁訴といわれる、いわゆる 「自律神経失調症」 に大きく関与している。 この 「自律神経失調症」 というのは、交感神経と副交感神経のアンバランスによって、症状が現れる。 月の気道である左鼻腔を中心にする呼吸(チャンドラヴェーダー)では、左の道が優勢になって左鼻腔に生命素が流れ、精神的な力と関連していると考えられている。 その主な性質としては、同化作用や生産的活動と関連して、エネルギーの保持と身体への冷却効果があると伝えられている。

     

     ここで自律神経の不安定要因として、地球と月と太陽の位置関係とそれに関係する 「引力」 について考察する必要がある。 まず満月と新月では、「地球」 と 「月」 と 「太陽」 が一直線に並び、その引力は強くなっている。 また上弦と下弦の月では地球と太陽を結ぶ線と地球と月を結ぶ線が直角になり、引力は少なくなってしまう。 このことから満月と新月では、強い引力の影響を受けて、自律神経が不安定になり、心身ともにその影響を受けているものと思われる。

     

      医学は人間の生命を救うための学問ではあるが、徹底した実学であると言われている。 しかし、実用性ばかりを重視すると、人体の機能について体系だった理解が後回しにされる傾向もある。 そこにアストロバイオロジー(宇宙的な生命学)を持ち込むことによって生命の理解が格段に深まるであろうと愚考する。

     

     ここで改めて地球を回る惑星である 「月」 と 「人体」 との関係について考えてみることにする。 はじめに45億年前に月が誕生したことと、人体がナトリウムを使って筋肉や神経を機能させていることには、月と地球の間柄について、とてつもなく深いつながりがあることが分かってきた。 それは地球の生命体がナトリウムをどのように利用してきたのか、生命の成り立ちや起源といったアストロバイオロジーを自律神経疾患に結び付けて興味深く解き明かしていこうと思う。

     

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • ひだりの道 ①

     テーマは 「左右」 の、「ひだり」 !

      ボディの内、「ひだり側」 にまず注目されるのは、心臓の拍動である。 実は、その拍動が左胸から聞こえるようになったのは、出生後のことであり、胎児のときには、拍動の強さに左右の差はなく、心音は真ん中から聞こえているという。 

     

     そのような心臓は、ほぼ胸の正中線上に位置し、その中は四つの小部屋に分かれていて、右側が 「右心房」 と 「右心室」、左側が 「左心房」 と 「左心室」 になっている。 心臓へと流れ込んできた血液は左右の心房へと入り、心室を経由して心臓から動脈血として外へ押し出される。 そして、血流の左側ルート(大動脈)と右側ルート(肺動脈)は完全に仕切られており、左右の血液が交わることはない。

     

      右心室から出ていく経路は、血液を肺へ送るので 「肺循環」 、左心室から出ていくのは、血液を全身に送り出すので 「体循環」 とそれぞれ呼ばれている。 その労働力を比較すれば、全身へ向かって押し出す方が実に重労働である。 特に腎臓を通過するときは、1回目に尿をこし取り、2回目は余分にこされた尿を回収するので、腎臓の中の毛細血管を2回も通らなくてはいけないことになる。

     

      このような腎臓の中の細い毛細血管を2度も通すには、より高い血圧をかける必要がある。 それゆえ我々人間の体循環血圧は、120~140mmHgが必要で、肺循環血圧25~30mmHgに比べて4~5倍も高くなっているのである。 腎臓というのは心臓の働きにとって、紛れもなく最大の難所となっている。 

     

      心臓はそんなことから高い血圧をかけるために頑張り続けており、特に左心室の壁の筋肉は右心室より鍛えられて分厚くなっている。 そのため心臓のひだり側からの拍動が強く伝わってくるのである。 そのような血圧ポンプによる筋トレの結果として、左心室の左側の壁は、筋肉が鍛えられて厚くなるのである。

     

     しかし、胎児の体循環は、成人とはまったく違っている。 右心房と左心房の間に心内短絡(卵円孔)と、二つの心外短絡(肺動脈と大動脈)と呼ばれるバイパス経路でつながっているので、その血圧差はなく、心室の筋肉の厚さも左右同等である。 そして、出生後の啼泣に伴い自発呼吸が始まると、吸い込んだ息が肺を拡げることになる。 この刺激によって卵円孔と動脈管は閉鎖してしまい、成人と同じ体循環と肺循環がこの時点から始まり、体循環の血圧が高くなる。 

     

      我々人類のように心臓が左右はっきり分かれているのは、哺乳類の他に気のうを持つ鳥類も分かれている。 その心臓が左右に分かれているおかげで、全身に血液を送りだす体循環の血圧を高めることができたのだ。  これで酸素や栄養の循環を良くし、運動能力を高めることにも成功したのである。 心臓の中が左右に完全に分かれていないカエルのような動物は、犬猫のような動きができない。 哺乳類や鳥類が左胸から拍動が感じられるのは、高性能の心臓が頑張っている証拠だとも言える。

     

     そして人間の生命力において、からだにおける 「ひだり」 の原点になるのがこの心臓の左側から伝わる拍動なのである。 生命力の源である心臓の拍動が強く伝わってくるのが 「ひだり」 というのは、運動力学における 「重心軸の移動」 や 「体重が乗る力」 や 「支点にかかる力」 にも関係しており、「からだの使い方や動かし方」 にも大きく影響を及ぼしている。 

     

      現代社会は医学の分野でも、テクノロジーが飛躍的に進歩しており、MRIやCTや遺伝子工学によって診断、治療技術は格段に進み、不治の病と言われた病気も治療できるようになってきた。 しかしそのようなテクノロジーであっても、治療できない分野が今なお存在している。 その代表的なものが、精神疾患や自律神経が関与するような病気であるが、未だテクノロジーの恩恵を十分に受けていないように思えてならない。

     

      そのような自律神経が深く関わっている症状・疾患において、例えば、心臓の拍動を速める交感神経やそれとは逆に拍動を少なくする副交感神経がそれに関与している。 こういった自律神経にはからだの左右バランスが深く関係しており、これらのつながりを考えながら 「ひだり理論」 へと展開していきたい。 

     

     

     「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。

  • 左様に感謝⑦

    (つづき)

     

    歩くとき。

    左足の足を1歩目にすることがなんとなくしっくりくる。

    なんとなく歩き始めの時に倒れ込む感じを味わう。

     

    そして、自然に臍下丹田へ「重力」に合わせて踏みつけることを感覚し、

    その踏みつけた感覚に伴って、次の右足を持っていくような形で歩く。

     

    分かりやすいことは、そもそもスタートを蹴り出しにするのではなくて、

    もともと備わっている感覚からうごきの発動を味わっているかどうか。

     

    自分のからだを、重力に委ねるようにしてみる。

    前方へ歩く、もしくは走り出す流れをからだの内部エネルギーにできる

    だけ負担がかからないように使えば使うほど、左と右は感じでわかる。

     

     走るとき。

    ターンオーバーという、両方の足が切り替える状態でのフォームを見る。

     

    やり方で捉えると、ターンオーバーが早いフォームは、自然と大腰筋の

    ひきつけも常に起こっている状態になっている。

     

    なので、走行時の膝も完全に伸びきらない状態で、地面から離れた後は

    すぐに膝を折りたたむような流れで、繋がってターンオーバーしていく、

    と、このような指導方法は理に適っているかもしれない。

     

    そうすると、体幹正中の中軸上に重力は落ちていることにならない。

    「ひだり」と「みぎ」の意識感覚を生かす特徴としては、1本の線上を走

    るのではなく、やや揺れた感じの1本の線をまたぐような足跡になる。

     

    体幹と両足の感覚の差を生かして走る、自然法則の応用貢献と成立させる

    には、もう少し、いや多くの研究と検証は必要になるだろうと思いつつ。

     

     

    それでは、一週間お付き合いいただきまして感謝いたします。

    明日からは、お待ちかね、日下さんの担当です。お愉しみに!

     

     

     

    「操体マンダラ」は2021年7月22日(木)海の日に開催します。