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  • 操体法は天才を育む

    三日目です。よろしくお願いします。
    操体法では、からだの動きや皮膚への接触の感覚から快適感覚の有無をからだに聞き分け、さらに聞き分けられた快適感覚に味わいたいという要求の有無をからだに聞き分けます。これは質の高い快適感覚をからだに味わってもらうためには必要なからだへの確認(対話)となり、無意識の世界に入る必要な一歩になります。
    からだが快適感覚(気持ちよさ)を聞き分けられるまでが「動診」、からだが快適感覚が聞き分けられてからを「操法」と区別しています。この「操法」の間にからだは様々な反応を示します。中には綺麗な光を見る方もいますが、これはどのような感覚を意味しているのでしょうか。
    夢の一歩から調べていくと・・・・。「共感覚」という言葉と出会いました。
    共感覚」(きょうかんかくsynesthesia)とは、ある刺激に対して通常のひとつの感覚(臭覚、味覚、触覚、聴覚、視覚、動覚)だけでなく異なる種類の感覚を一緒に生じさせることができる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいい、例えば共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりするそうです。
    神経学者のリチャード・E. シトーウィックは、共感覚の診断のために用いる基準を
    1.共感覚者は空間的なイメージの中で、自分の位置している場所がはっきりと分かる。
    2.共感覚は無意識的に起こる。
    3.共感覚の知覚表象は一貫性がある。
    4.共感覚はきわめて印象的である。5.共感覚は感情と関係がある。
    としています。実際に共感覚者とされている人には、画家や作曲、ピアニスト、詩人と芸術家関係に多いようです。
     この「共感覚」ですが10万人に1人と言われているほどにまれな現象でいわゆる天才とされていましたが、最近の研究では機序そのものは、実は万人に共通したものであることが分かりつつあり、臭覚、味覚、触覚、聴覚、視覚、動覚の感覚の感性を磨いていくことで「共感覚」を体験できる可能性があるようです。
     操体法では動きの感覚である「動覚」、皮膚の感覚である「触覚」や様々の感覚を通して快適感覚を味わい、光を見るという「視覚」というように質の高い快適感覚から無意識の世界を通して「共感覚」を体験できているのではないかと思います。
    共感覚を研究しているカリフォルニア大学サンディエゴ校のエドワード・ハバード氏は、「共感覚者は変化した知覚から強烈な快感を経験することが多い」と報告しており、快適感覚がキーワードになっているような気がします。
     したがって操体法は快適感覚を通して臭覚、味覚、触覚、聴覚、視覚、動覚の感覚を磨き天才を育む可能性を強く持っているのではないかと思います。実際に東京操体フォーラム実行委員メンバーをみても写真、絵、洋服などの芸術的なセンスは非常に高いような気がします。これは操体を通して、快適感覚を通して感覚が磨かれているからこそではないでしょうか。快適感覚とは神様がくれた最高の感覚であり、贈り物ですね。
     ありがとうございました。

    佐助

    新刊情報:皮膚からのメッセージ 操体臨床の要妙Part Ⅱ(三浦寛著)、たにぐち書店より発売。 
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 夢から・・・

     二日目よろしくお願いします。 
     皆さんは寝ていて夢をみますか?なんで夢をみるのでしょか?
     夢を脳科学では、睡眠中に起こる、知覚現象を通して現実ではない仮想的な体験を体感する現象をさすそうです。夢のメカニズムは睡眠にPGO波という鋸波状の脳波が、視床下部にある端網様体後頭葉にかけて現れ、このPGO波が海馬などを刺激して記憶を引き出し、大脳皮質に夢を映し出すと考えられているそうです。夢を見る理由としては様々な説があるようですが、無意味な情報を捨て去る際に知覚される現象、または必要な情報を忘れないようにする活動の際に知覚される現象、この二つが有力な節のようです。
     その他には非科学的といわれるかもしれませんが、夢をみているときはあの世と交信している状態とか幽体離脱しているという方もいらっしゃいます。
     僕はというと・・・。実は夢をほとんどみません。というより、実際には夢をみているのかもしれませんが覚えていないのです。だから夢占いなるものができないのです(笑)。
     ところが!!!
     最近不思議な夢をみたのです。人影がでてきて(誰なのかは見えないのです)、そして僕に話しかけ問いかけるのです「からだは間に合っていればいいんだけれども、からだの潜在能力はどう考える?もったいない。」とだけ言っていたような気がします。
     なんだったのでしょか?操体を考えている活動の知覚の現象なのか、テレパシーみたいなものなのか、もっと学べという叱咤激励なのか、僕が夢をみて覚えているとは本当に不思議です。
     早速「潜在能力」を調べてみると、普段の人間は自己の持つ潜在能力の約20%程度しか使っていないとのことです。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・動覚などすべて神経系のもので、その原点は脊椎動物の脊椎の端である終脳とも言われる大脳の大半を占める大脳皮質にあります。小脳皮質が運動神経を司っていますが、結局は脊椎の延長である脳に属しています。この大脳皮質を人間以外の動物は100%使いきって感覚を常に鋭く研ぎ澄ましているようですが、人間が普通の生活・仕事では20%以下しか使っていないとのことです。
     人間の持つ感覚の視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・動覚のひとつひとつの感覚について学びを深めていくことが、さらなる質の高い快適感覚を引き出すためのヒントがあるということなのでしょうか。
    人間の感覚に対して学んでいくということは大きな課題です。でも操体の学びにとって感覚の聞き分けが大切なことからも、きっと必然的問いかけとなる夢だったのかもしれないません。しかし僕に問いかけてくれた方は誰だったのでしょうか?
     これからも日々の学びを大切にして精進していきたいと思います。
     ありがとうございました。

    佐助

    新刊情報:皮膚からのメッセージ 操体臨床の要妙Part Ⅱ(三浦寛著)、
    たにぐち書店より発売。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 日本の田舎より

     今日から一週間は佐助の担当となります。前回は5月の農業が本格的にはじまる春でしたが、今回は農業の終盤となる秋での担当となりました。一週間お付き合いよろしくお願いします。
     皆さんの秋はスポーツの秋ですか?それとも食欲の秋ですか?
     僕の秋は収穫の秋です。僕の家の周りは山に囲まれていますので、キノコ採りをしたり、もうじきはじまる紅葉を楽しんだり、お日さまで干したお米を収穫したり、レタスも10月の下旬には出荷が終わります。11月になれば畑に肥やしを入れて畑を休めたり、冬に備えて野沢菜をつけたり、収穫した野菜を保存する室(むろ)を作ったりします。一年を通して日本の四季の移り変わりを楽しんでおります。この四季にもきっとバランスがあり四季の相関相補連動性が成り立つ気がします。そしてバランスを崩した症状が今年のこの気候でしょうか。

    いやぁぁぁぁぁ!!!今年の天候には本当に悩まされました。日本各地で自然のチカラを感じたニュースが今年は多かったと思います。春は雨が多く日本中で災害のニュースを聞くことが多く、夏からは記録的に続く猛暑と、自然がバランスを崩しているのか天候の厳しさ、自然のチカラを強く感じた年でした。
    僕の農業修行も自然のチカラに大きく影響を受けました。春は雨が多く根の腐れが多く、夏からは猛暑の日々と発育に悩まされ、こんな状態ですので野菜の今年の販売価格は高く、レタスも多くの出荷を希望されてもなかなか市場の希望に添えない状況が多かった日々でした。
    レタスなどの野菜はこのような状態でしたが、すべての農作物が不作というわけでなく、豊作の物をあるようです。同じ天気の下でも不作な物もあれば豊作の物もあるというのですから不思議です。この自然の恵みをもたらしてくれる大地・自然・地球ですが、毎年のように異常気象と聞くような気がしますが、人間の利益・欲・自我で環境を変えていることもあり地球・自然が心配です。地球・自然もからだと同じようにバランスを修正するチカラである自己治癒力を持っていても、この自然を大切に使わせていただく人間の自然の使い方が法則に反して自然を壊し続けたままでは、自己治癒力では間に合わない状態まで進んで四季のバランスを完全に崩してしまったら、きっと自然の恵みをいただくことが難しい状況になるのではないでしょうか。
    地球・自然も人間のからだと同じように、使い方があるはずですから。
    感謝を忘れずにからだとも自然とも対話しながら、そんな環境を子供たちにも伝えていけるように歩んでいきたいと思います。ありがとうございます。

    佐助

    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • イスタンブールで考えた。

    朝を迎えたバルセロナはまだ雨が降り続いていました。
    雨の中空港へ。ここで小野田先生とはお別れです。
    いざスペインを離れるとなるといろんな感情が溢れてきます。

    イスタンブールへの飛行機は3時間も遅れてスペインを出発、なんともノンビリしていますが、皆さん慣れているのか怒りだす人も無く、イスタンブールには夜になって到着しました。
    乗り継ぎで最初に寄った時には感じませんでしたが、スペインから入ってみるとホッとします。空気や人の感じが日本に近いんだなと思います。

    イスタンブールでのホテルはランプがたくさんぶら下がっている素敵なホテルです。これも最初の日には気が付きませんでしたが、ホテルで寝ていると夜明け前くらいでしょうか、祈りの歌が街に流れます。ライトアップされたモスクを見ながらそれを聞くのもまた好いものです。ホテルの近くに有名なモスクがありましたが、ヨーロッパの大聖堂を見たあとでのモスクは圧迫感が無く、親しめるように思いました。やはりヨーロッパというのはカタイというのかアライというのか、とにかくチカラが要ります。
    皆さん一仕事終わったという感じでイスタンブールではリラックス。地下宮殿やブルーモスク、アヤソフィアグランバザール等々観光を楽しんでいました。


    (福田さん撮影)

    イスタンブールの街を歩いていると働く女のひとがいない事に気が付きます。宗教上の理由なんでしょうが、働いているのは男の人ばかりです。と言って、男がシャニムニ働いているのかというと見たところそうでもなく、街のそこここでダベッてみたり、バックギャモンでしょうか博打を打ってはしゃいでみたり、チャイ飲んでみんなでノンビリしていたり、どうも働き者という感じはしません。最初は商売熱心なのかなと思っていましたが、親切という感じの方が当たっているように思いました。


    (福田さん撮影)

    それからイスタンブールは猫の街でもあります。街のどこにでも猫がいて、三浦先生、畠山先生はじめ皆さん猫を可愛がっていましたが、僕は福田さんが、これまでのお付き合いでは見たことの無い表情と声で猫を可愛がっているのが(まさに猫可愛がり)、とても楽しかったです。

    旅も終わりに近づいて、カゼなのかなんなのかヘロヘロで部屋でまたボヤッとしたりしていました。
    ホテルの部屋で今ここに至るまでの流れを思うと、不思議なことですがこういう風になるしかなかったんだなと思えてきます。
    2年前には想像もしなかった場所に今確かにいて、今生きている人達との水平線上のつながりと、今まで生きてきた人達との時間上のつながりを感じます。
    僕がこの旅で得た一番大きなものは、自分よりずっと大きなものにゆだねる、ゆだねることができるという感覚だと思います。

    いよいよこの旅も終わりです。アタルチュク空港から成田へ。
    長いようで短いような旅でしたが、成田上空から見下ろす日本の緑にさすがにホッとします。
    今回の旅で、僕らの中に蒔かれた種もきっといろいろな処で芽を出すでしょう。

    三浦先生、畠山先生、岡村さん、福田さん、秋穂さん、小代田さん、小松さん、そして小野田先生はじめスペインのスタッフのみなさん、フォーラムの参加者のみなさん、本当に素晴らしい時間を味わわせていただきました。ありがとうございました。

    (今回のブログの写真はスペインの鈴木先生に撮っていただいたものを沢山使わせて頂きました。ありがとうございました。

    おわり

    山本明

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
    操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • バルセロナで

    フォーラムも終わり、今日はマドリッドを後にします。
    やはり緊張が緩んで疲れが出たのか、カゼをひいたようです。
    なかなか生活のリズムが合わずに夜中から目が覚めますが、暗闇でじっとしているといろんな思いが出てきます。外国に来てありがたいと思うのは居場所が変わることでいろんな思い込みに気が付くことです。マドリッドに来る前は日本と違う特別な感じがするのかと思っていましたが、来てみると僕にとっては日本とあまり変わりありませんでした。今日思ったのは、どちらもあまり変わりがないのなら、どこに居ても一緒だ、ということでした。日本でもスペインでも南極でもイスカンダルでもきっと一緒だなと。昨日までのフォーラムで体験させて頂いた事は、そういう事も教えてくれたんじゃないかなと思いました。

    朝食をとってからバルセロナに出発の予定ですが、約1名が朝食に現れず。王子が心配して部屋に起こしにいくと、「ドリフのコントのように」(王子談)慌てていたそうです(笑)。こういうことも後になってみると、旅の好い思い出になるもんです。

    タクシーでアトーチャ駅に到着。スペイン版新幹線AVEに乗り込みます。日本の新幹線とどんなに違うか言えば、あんまり変わりありません(笑)。ただずっと飛行機の旅だったので、窓の外に景色が流れるというのはうれしいものです。スペインの遠くまで広がる赤土の大地と広い空が続いています。

    窓の外の風景を眺めていると、都市部を離れると畑になりやがて人がいないような荒れ地のような土地がずっと続き、また畑が見えてくると街が現れるという感じで、人の住む場所が点々としているようです。また緑が少ないので余計に寂しい感じがしてきます。僕の好きなスペイン映画「ミツバチのささやき」でも赤土がずっと広がっている風景が印象的でしたが、実際来てみても、映画が撮られてから何十年も経っているのにもかかわらず、あまり変わらない風景が広がっているというのが、風景がめまぐるしく変わっていく日本人の感覚では考えられない時間の感覚だなと思いました。
    AVEの車内にはただいま何km/hで走行中という表示が出るのですが、300km/hとは出ていても日本の新幹線に乗っている感覚だと東京から品川に向かっているくらいのスピードにしか感じません。日本と違って窓の外の風景が大きく広いせいでしょうが、隣の福田さんと何度もホントかなぁと首を捻っていました。

    日本の新幹線と違ってAVEには食堂車があります。小野田先生に誘っていただいて何人かとお話しをさせてもらいました。三浦先生のこと、ご自分の歩んできた道のり、師匠と弟子の間の学び、小野田先生のお話しは熱くとどまるところを知りません。実は僕は小野田先生とお話しする時間かなかなか無くAVEに乗り込む前に初めてちゃんとお話しさせていただいたのですが、なんだか堰を切ったように本音でお話しを聴かせていただいてうれしく思いました。

    約3時間半でバルセロナに到着。雨が近いのか海が近いからか空気が湿っています。勝手に想像していた綺麗な青空の感じとはまるで違いました。

    ホテルにチェックインしてから地下鉄でサグラダファミリアへ。小野田先生によるとバルセロナは地下鉄での移動が便利とのこと。

    サグラダファミリアは世界的な観光地だけあって人でいっぱいでした。中に入ろうと行列が出来ていたので、グルッと廻って外から観る事に。三浦先生曰く「こういうものは富士山と一緒で遠くから観るもんだ」なるほど。
    その後ランブラス通りをブラッとして大道芸や市場を見て回りました。
    昼食後、みなさんはそのまま観光に。三浦先生はホテルに戻るとの事だったので、カゼ気味の僕も便乗して小野田先生と3人でホテルへ。
    観光しないでその土地のホテルでゆっくりするのも、とても好いものです。ソファで毛布に包まりながら三浦先生とお話しをして過ごしました。

    青空のバルセロナのイメージとは違って夕方から雨が降り出し、降られた皆さんが戻ってこられて近所のバルへ、三浦先生と小野田先生は二人でお茶へ、僕は一人で留守番。ボヤッとしながらノンビリ時間を過ごしました。その後三浦先生と小野田先生と3人で食事へ。そこで食べたスープの味はいろんな意味で僕にとって忘れがたいものとなりました。
    ホテルの戻って三浦先生とメンバーでまたお話。結局なかなか眠らないまま夜は更けていきました。

    7日目につづく

    山本明

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
    操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • イスタンブールにて

    スペインマドリッドでのセミナーを終え、バルセロナ観光をした後、トルコのイスタンブールに入った。ここでは2日ほどゆっくりとした休日を過ごす予定だ。慣れないヨーロッパの空気でやや疲れてしまった東洋人の皮膚にトルコの風はなんとも心地よい。空港から車で乗り付けたのは、キュベレーホテルという街中のかわいらしいホテルだ。

    調度品といい、天井いっぱいにぶら下がっているランプといいオーナーの趣味が見事に表現された素敵なホテルである。

    誰かが「三浦理事長の治療所みたいだね。」といった。確かに何となく懐かしい感じすらする空間であった。ホテルに入った私たちは少し遅めの夕食を摂った後、三浦理事長の部屋に集まりミーティングをしていた。さすがにスペインでの日程と飛行機での移動でからだに疲れ感じる。岡村実行委員長が三浦理事長の疲れを癒すべく治療を始めた。私も島根の福田理事の足を借りて、足趾の操法の練習をさせていただいた。部屋中を操体の快の波動が包みこんでいた。福田理事への操法を終えた私は、岡村実行委員長とバトンタッチして三浦理事長の足趾をもみ始めた。考えてみると師匠の施術をさせていただくのは何年ぶりになるだろう。そんな感傷に浸りつつ、足底から足趾へと揉んでいくうちに理事長は「クークー」と寝息を立て始めた。それで皆部屋へ戻りそれぞれ眠りにつくことになった。私は理事長と相部屋であったので、もうすでにいびきをかいていた山本実行委員と共にその部屋に残った。山本実行委員も岡村さんと福田さんのダブル渦状波によりすでに深い眠りに落ちていた。眠気を感じた私は、片隅のベッドに横になり眼を閉じた。隣で『コトッ』と物音がした。私は睡魔と気持ちの良い疲労感に包まれ半分夢の中にでもいる気分だった。その時私は足元に誰かがたった。私自身は眼を閉じていたのでそれが誰だったのかは分からないのであるが、その誰かは私の足を揉み始めた。揉み始めたとはいっても、詳細に表現するなら足趾をぶつけられている状態である。大きくうねる快のバイヴレーションを感じながら私はその足元のだれかの操法にゆだねていた。その時私は、三浦理事長が起きだして揉んでくれているのだろうと想像していた。しばらく味わっていると遠くから「おいまだ起きているのか?」という三浦理事長の声がした。私はハッと眼を覚ました。足元を見ても三浦理事長は立っていなかった。というよりも誰も立ってすらいないのである。恐る恐る三浦理事長と山本実行委員に聞いてみたが、二人とも横になっていたから私の足なんて揉んでいないということである。隣のベッドに休んでいた山本実行委員は一人で私が揺れているのを見て「いや〜、秋穂さんはそんな技を持っているのだな〜と感心していました。」と私が揺れているのは気が付いていたらしい。そこで私の頭にはふっと橋本先生のイメージが湧いてきた。マドリッドのセミナーの中で三浦理事長が「橋本先生は我々と一緒にスペインにやってきました。」という話をしていたことを思い出した。「橋本先生も私達と共に旅をしてくれているのだな。」と妙に納得して眠りに就いた。考えてみると私達が操体の活動をするということは、橋本敬三先生の遺志を継承し伝え広めているということである。私たちが操体をやっている限り、私たちの行くところには橋本先生もついてきてくれる。今回は三浦先生が橋本先生をヨーロッパにまで連れてきた。恐らく来年も再来年も世界のどこかに新しい操体の種を植えに行くのであろう。橋本先生は本当に幸せ者だと思う。亡くなった後でも弟子である三浦理事長が広い世界に連れまわしてくれている。野次馬の親分としては願ったりかなったりだと思う。今後橋本先生と三浦理事長の遺志を継ぐものとして、私たちフォーラム実行委員は成長していかなければならない。ヨーロッパだけでなく、アメリカ、アジア果てはアマゾンの奥地まで操体の波動が世界中を包み込むまで私たちは旅をし続けていかなければならない。ちなみにアマゾンやチベットなどの僻地担当特派員には小松実行委員がすでに就任している。橋本先生もまだしばらく急がしそうである。
    SCN_0001.jpg 直

  • 操体フォーラムinマドリッド その2

    フォーラムも2日目になりました。
    今日は僕らにも足趾や触診での出番があるので朝は緊張して目が覚めました。

    2日目の最初は三浦先生の足趾の実演から始まりました。
    客席から日本人の女性の方を呼んで、ステージ上で落とし、揺らし、揉みと足趾の操法が進んでいきます。
    被験者の方はとても素直な方で、操法の途中から、からだの無意識の動きがかなり大きく出始め、納めの時には快適感覚に声をあげて反応しておられました。僕は足趾の操法でのこんな大きな反応を見せていただいたのは初めてでした。三浦先生は足底の揉みもされましたが、操法が終わってもベッドで寝ている女性の反応はずっと続いていました。反応が落ち着いて来てから、女性ご自身がスペイン語で会場のみなさんに感想を述べられました。言葉はわからないのですが、どんな感覚を味わったのか詳細に語られていたのだと思います。
    スペインに来て思ったのは、このような感覚の表現がとても豊かなことです。日本に暮らしていると、きもちのよさについて丁寧に時間をかけて語り合うということはあまり無い事だと思います。きもちのよさに対する価値観が違うのかもしれません。
    その後三浦先生から、この反応についての解説があり、自分の意識の動きと、からだの無意識の動きの違いを説明されました。

    会場の方の反応はこの時点でも身を乗り出さんばかりでしたが、この女性がぜひ先生に日本語でお礼をとのことでお話しをされ、こんな幸福感は今まで味わったことが無い、ただただ本当に本当に先生に感謝する、と涙ぐみながら話されると、言葉はわからなくても、一緒になって涙を流す方が会場のあちこちに見受けられました。三浦先生ご自身も会場に「なんでこんなに涙が流れるのでしょう」と操法の途中からその感覚に涙が溢れてきたとお話しされました。先生も言われていましたが、あの涙は感情的なものとは違って、生命同士が触れあって共鳴するところから生まれる自然なものだと思いました。それは会場全体を包み込み、その場に居合わせた人達がみな共鳴するものだったと思います。僕自身もそれが生まれる瞬間に立ち会えたことに感動して涙が流れました。

    その後、参加者の方々に僕らが足趾の操法をさせて頂くことに。しかしふと我に帰ると、師匠のこれだけのものを見た後なので参加者の皆さんが期待しているものは、恐ろしくハードルが高いことに気が付き、チビリそうになりながらやらせて頂きました。今思い返すとやはり緊張していて穴があったら入りたいような気分ですが、それでも既に会場の空気がガラッと変わっていて参加者の方も受けてみたいと思って頂いたせいか、からだに触れさせて頂くと意外に安心してすることができ、皆さん無意識の動きを出してみたいという気持ちが強くあるのを感じましたが、からだが反応してくれているのがよくわかりました。
    その後も何人かの参加者がステージで足趾の操法の感想をお話しされましたが、みなさん丁寧に自分の感じたことを話しておられるように思いました。

    この後三浦先生がひかがみの触診について解説した上で実演され、何人かを触診されました、小野田先生も三浦先生に呼ばれてステージ上にあがり、逃避反応からひかがみの圧痛硬結がなくなることを確認する場面も。

    僕らもその後また参加者の方達の触診をしました。三浦先生はステージ上に呼んだ女性が自ら動くことでひかがみの硬結が無くなることも披露していました。1つ1つの説明に皆さんが本当に興味をもって聞かれていることがわかります。

    2日目は1日目より時間が短くここでプログラムは終了。その後修了書の授与、写真撮影などをしてひとまず終了しました。

    プログラムは終わったのですが、その後一部の参加者の方達とお話しをする時間が持たれました。
    こちらでは少人数でより生の声をお聞きすることが出来ました。とにかく皆さん熱心で、本当に操体の持っているものを求めておられ、それを理解しようとされていることがよくわかります。ここでも皆さん丁寧に自分の感じたことを話しておられました。恥ずかしいですが僕なんかは普段でもシドロモドロなのに、通訳の方を通して自分の思いを話すなんてことになると、だんだん自分が何を話そうとしているのかわからなくなり余計にシドロモドロでした。

    それに比べると三浦先生は突然「えー、この履物は」とやおらご自分の下駄を皆さんに見せて、この下駄にまつわる伝説(?)を披露され、皆さんの笑いを誘っていました。そして「この下駄が来年もスペインへ来たいと言っているが、いいですか?」と聞くと皆さん大喜びでした。

    こうして「操体フォーラムinマドリッド」は幕を閉じました。
    操体にご縁をいただいていつも思うのは、なぜかそこに関わる人達がとても熱くなるということです。それにしても今日は特に、そのことが言葉を超えて起こることなんだと感じさせてもらう1日になりました。

    6日目につづく

    山本明

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
    操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • 操体フォーラムinマドリッド

    マドリッド3日目はいよいよ操体フォーラムinマドリッドの1日目です。
    まだ時差ボケのフワフワした頭ですが、朝食を軽く取り(というより昨夜までの食べ過ぎで食べられない)、フォーラムの用意ですが、メンバーの皆さんは浴衣など衣装に工夫をこらしておられました。僕はといえば、そういうシャレた持ち合わせがないのでスーツを着ようと思っていたのですが、三浦先生が俺のを着ていいよと仰ってくださったので先生のお部屋にお邪魔すると、名前はなんて言うのか知らないんですが東南アジアイスラム圏の民族衣装というんでしょうか、とにかく観たことも着たこともないものでした。試着すると三浦先生はじめ皆さんに大ウケです。もちろんカッコイイと言う意味ではなく、オモシロすぎるという意味ですが(笑)。親には大変申し訳ないことですが、旅先のことでもあるし、皆さんの気持ちが盛り上がるならイイかという事で着させて頂きました。


    さて会場入りですが、入口にはもう沢山の人達が待っていてスゴい熱気です。日本でのフォーラムとは違う感触で否が応でも気持ちが昂ります。会場の中もざわめきでいっぱいです。カメラ、プロジェクター、スクリーンが設置され思った以上のスケールでした。小野田先生はじめスタッフの方々が周到な準備をされていることがよくわかります。

    いよいよプログラムがスタート。
    最初は三浦先生、畠山先生以下メンバーの紹介です。舞台に上がって皆さんにご挨拶をさせていただきました。この時は自分がどんな格好をしているのか忘れていましたが、なんだコイツはと思われたことでしょう(笑)。

    続いて畠山先生の講義「操体の歴史」です。
    仙台、伊達政宗公、慶長使節団、ダースベイダーから操体の歴史へ、快と楽の違い、第一分析と第二分析の違いなどのお話しが通訳を交え、英語の字幕とともに展開されていきます。福田画伯の絵ではみなさん大ウケでした。

    続いて三浦先生の講義。操体の哲学から第二分析の説明までお話しが展開していきます。通訳の三原さんも時にどう通訳していいのか困られながらお話しは続いていきます。

    メンバーの小代田さんが言われていましたが、向こうの方は表情が豊かで反応がとてもわかりやすいです。午前中の終わりにはいろいろ質問が出されましたが、表情からも頭の中が?でいっぱいになっている感じがよくわかりました。

    そこで午後最初は畠山先生をモデルにしての三浦先生の第二分析の実演からはじまりました。次々と行われる操法を見ての皆さんの表情はまだ???です。みなさんパッと見てパッとわかるものを期待して来られていたと思いますが、目の前で行われていることがあまりにシンプルに洗練されているので、そこで何が起きているのかを理解出来なかったのかもしれません。そこで畠山先生から操体の学びについてのお話しがあり、身体運動の法則、視診触診、動診操法の介助補助を学ぶこと等が説明されると、簡単にオイシイところだけを今日来て今日マスターして帰れる訳じゃないんだなということをわかっていただけたのだと思います、会場の雰囲気が変わったと感じました。

    つづいて三浦先生の身体運動の法則の講義です。
    重心安定、重心移動、連動の法則、目線・呼吸との相関性が実演とともに語られていきます。
    この時にはもう会場の方の雰囲気はガラッと変わっていて、1つ1つの説明に皆さんがだんだんと身を乗り出してくる感じになっていくのがよくわかりました。先生のジョークに笑いも生まれ、どんどん会場の熱気が高まっていきました。

    最初会場の皆さんも言葉の壁という様なものを意識されていたと思いますが、今日の数時間で言葉を超えて伝わるものを感じ取ろうとする気持ちが早くも生まれているのを感じました。
    僕にとってはなにより三浦先生、畠山先生の気迫に満ちた表情を見せていただいて、伝えることの素晴らしさ、厳しさを学ばせてもらう1日となりました。
    世界の人に操体を伝える、そういう日が本当に間近に迫っていると思います。

    1日目が終わり、三浦先生、畠山先生は今回参加された先生方と会食の為、僕らは別行動でスタッフの森脇さん、鈴木さんにマドリッドを案内していただきました。レアルマドリッドのスタジアムにも連れて行って頂きましたが、残念ながら今回のメンバーは皆サッカーに詳しくなくあまりその有難さを理解していませんでした。その後森脇さん行きつけのお店で食事、シードルやシーフードが美味しかったです。
    明日はフォーラム2日目。僕らも足趾の操法等で実演することになっています。緊張で眠れないかなと思いながらベッドに入りました。

    5日目につづく

    山本明

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
    操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • マドリッドの一日

    マドリッドでの最初の夜が明けました。昨晩は眠たくて眠ったのですが、これが時差ボケというのか、4時間ほどで目が覚めてしまいます。闇の中で今回の旅についていろいろ考えます。ここに今居る事の不思議さ有難さ、旅に出る前に考えていた事と今来てみて感じる事、まだ自分の気持ちがどう動いていくのか分かりませんが、日本に居た時とは全く違うものになっている事はわかりました。
    言葉も習慣も違う国へ来てはっきり感じるのは、からだの要求に問いかけるという在り方は世界中どこに行っても間違いないんだなという思いです。
    それにしても日本を出てからどれくらいの時間が経ったのかもう分からなくなっています。
    起きてみて気が付いた事ですが、朝でもなかなか明るくなりません。7時でも真っ暗です。夜更けるのが遅いので考えると当たり前なんでしょうが、朝食の時でもまだ暗かったです。
    それでもその時間には朝の通勤ラッシュが始まっていて、道路は車がたくさん行き交っています。暗いうちから仕事に向かう人達がいるんだなと思うと、最初に抱いたスペインの人達に対するイメージが変わってきました。そう言えば街を歩いていて感じたのは、スペインの人たちの親切さです。ちょっとした事でも声をかけて来てくれて教えてくれたりする(何を言っているのか全くわからないですが)事が何回かありました。
    小野田先生が仰るには、スペイン人は体力があるとのこと。夜遅くまで楽しんで翌朝は早いうちから仕事に向かうのですから、やはり体力が違うのかなと思いました。

    さて今日は小野田先生の心配りで仕立てていただいたバスでトレド観光です。肌寒い空気の中、マドリッドから約2時間の道程です。道すがらガイドの方がスペインの歴史についていろいろ教えてくださいました。学生時代驚異的な低偏差値を誇った僕としては、聴いた事があるなくらいしか理解できませんでしたが、この国が波乱に満ちた歴史を辿って来た事、そして今も変わりつつある事がわかりました。
    車窓からみる景色は遠くまで広がる大地と広い空、オリーブ畑、スペイン独特の風景です。スペインはとにかく空がきれいだなと思います。

    ガイドの方はスペイン人の気質について、いいかげん・怠け者のように言われるが、とにかく自分の事をまず大事にしてそれから人の事を考えるのがスペイン人で、それが僕らにはいいかげんに受け取られるけれど、慣れればこんな楽なものは無い、会社での上下関係も楽なものです。というような事を仰っていました。そういうもんなのかな。

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    トレドに到着すると石畳の旧市街を歩きながら、エルグレコの絵が描かれた教会、大聖堂等を見学しました。教会も大聖堂もさることながら、古い街にそのまま人々が生活していて、其処此処で垣間見える生活の風景がとても素敵でした。

    帰りは爆睡しながらマドリッドに引き返し、今度はプラド美術館へ。
    詳しくないですが、「あ、これ教科書で観たことある」っていうような絵がいっぱいで、とても1日で観れるようなものではありません。僕はスルバランの羊の絵と磔刑の絵が気に入りました。
    それにしても、絵のテーマのせいなのか、とにかく絵を観るのにもエネルギーが要ります。だんだんクタビレてしまって、終いには絵が目に入らなくなってしまいました。

    http://d.hatena.ne.jp/tokyo_sotai/files/IMG_0223.MOV?d=.mov

    その後プラド美術館の前の店で食事。世界的な観光地の前の店ですからツーリスト用の本格的ではないメニューなんでしょうが、
    それでも日本人の僕らはお腹がいっぱいです。

    さて観光からホテルに戻り、今度は日本大使館へ。三浦先生の講演です。
    橋本哲学から聴いている皆さんの意識の志向へと話しが及び、集まった皆様も最初は手軽なハウツーを期待されて来られておられたのかもしれませんが、途中から反応がガラッと変化して、先生のお話がみなさんに響いているのが感じられました。

    大使館の帰りに小野田先生の治療所の近くのレストランで夕食。
    スペイン人の体力についてはお話ししましたが、夕食もとにかく量が多くて味付けも濃いです。スペインに来て最初は、その食べ物だけが濃い味付けなのかなと思っていましたが、どこの店でも総じて濃い味付けになっています。塩味に限らず、酸味甘味も日本より濃いので味の振り幅が大きいです。そしてその量。

    日本の感覚で肉を頼むと「あの、、、、キャッチャーミットは頼んでないんですけど、、、、。」と言いたくなるような物体が運ばれてきます。これを夜の10時くらいから食べだして、その後12時過ぎからパーティーに行くと言うんですから、、、たいしたもんだスペイン人。

    8月の京都からの旅でも分かりましたが、睡眠不足と疲れがピークに近くなってくると、みんなで話していてもなんでもないことでオカシクて笑いが止まらなくなることがあります。日本を出てから何日か経ち、この日の夕食はテーブルの反対側で岡村王子が涙を流して笑っていました。後で聞くと僕にあだ名がつけられてウケていたとのこと。この頃になると他のメンバーにも公には口に出来ないようなヒドい名前がつくようになりました。これも旅でみんなの絆が深まっている証なのでしょうが、それにしてもヒドいので公表は差し控えておきます。

    師匠は明日からのフォーラムのため、早めにホテルへ。
    僕らが戻った時にも、覗いてみるとスタッフの方達が準備の最中でした。ありがたいことです。それを見て気が引き締まりました。

    明日はいよいよスペインでのフォーラムです。

    4日目につづく

    山本明

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
    操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。

  • マドリッドへ

    旅の2日目は朝も暗いうちからスタートです。

    ホテルを5時に出てアタルチュク空港からイスタンブールに向けて飛び立ちました。約3時間の距離、1時間の時差があります。
    飛行機の中では、岡村さんに不思議なヨーグルトの話や何故この仕事をするようになったのかを聴かせてもらいました。旅をすると良いのはこういう話をふと出来ることにもあるんですね。
    いよいよマドリッドに到着。当たり前ですが、トルコからスペインに入ってみるとまるで雰囲気が違っています。空気の感じ、人の表情や動きがこんなにも違うんだなと思います。また世界は広く、いろんな場所があるんだなと感じます。
    早速空港を出てと思いきや、入国審査に手間取りました。入国審査はいつでも楽しいものではありませんが、この国のお役人やトイレの掃除のオバサンの動きを見ていると、この国の人は働き者には見えません。
    さて出口では小野田先生とスタッフの森脇さんが出迎えてくださいました。初対面の小野田先生は「えっ本当に日本人?」と思うほどスペインの雰囲気を漂わせていらっしゃいました。
    タクシーでホテルへ移動するタクシーの中では運転するオジサンのセレクトした音楽がスペインへ来た実感を盛り上げてくれました。

    先生方より一足先に着いたので、ロビーで森脇さんのお話しをお聞きしましたが、森脇さんは首絞め強盗にあったことで小野田先生とのご縁があったとか。みんなそれぞれ不思議なご縁でこの場所にいるんだなぁとあらためて感じました。

    荷物を解いてから小野田先生のやっておられる治療所と学校へと連れて行っていただきました。治療所の予想以上の大きさにビックリ。施術の為の部屋がいくつもあってワンフロアー全部が治療所です。インテリアも海外での日本人の仕事場という感じの独特なセンスでとても気持ちが良いところでした。またスタッフの方達もとても親切でにこやかです。それぞれ日本からのお土産をお渡ししました。すぐ近くの学校にもお邪魔しましたが、そこも小野田先生の気配りが感じられる素敵な場所でした。そうそう橋本先生と三浦先生の写真も飾られていました。
    フォーラムの準備や学校での指導についても小野田先生は熱く語られました。その姿を拝見して、スペインでのフォーラムが楽しみになるのと同時に、25年以上海外の地で指圧をされてこられたというのは、やはり簡単なことではなく、これだけのエネルギーが必要なんだなぁと納得しました。
    その後近くのレストランで食事。スタッフの森脇さんが「スペインは食べるものがいい」と言われていましたが、サラダやイカのフライのカラマリ、チーズ、ハム、ビールどれも美味しいものばかりです。
    知らないオジサンが店に入ってきて何故か小松さんにタバコをねだるという場面もありました(笑)。小松さんは何故かこういう方に好かれるらしいです。

    レストランから小野田先生の学校へ戻り、小野田先生をお待ちする間にお互い足趾の操法をやったりしました。海外で畠山先生に足趾の操法をするなんてなかなか感動的でした。

    小野田先生が来られたので、そこから地下鉄にのってマヨール広場へ向かいました。
    その道すがら気が付いたのですが、この街が大阪にとてもよく似ているのです。それは街の空気の感じというのか、雰囲気というのか、まぁ簡単に言ってしまうと治安の悪さということなんですが(笑)、人の気配は濃くあるのですが、それでいながら少し寂しいような悲しいような雰囲気が漂っています。一瞬大阪に戻ったかと間違えるような感覚がありました。自分でも意外でしたが、大阪に似ているということでマドリッドに親しみを持つとは思いませんでした。地下鉄の中の雰囲気も大阪にソックリでした。

    しかしマヨール広場の辺りに着くと雰囲気がまた変わります。古い石畳と石造りの建物の街並と行き交うたくさんの人の賑わいが街の空気を楽しいものに変えていました。9月のこの時期でもまだ日が暮れるのが遅いので夕暮れの雰囲気をゆっくり味わいながら街を歩く事が出来ます。この雰囲気で夜も長いんじゃ、つい遊びたくなるよなぁと納得しました。

    途中で寄った市場も楽しいところでした。野菜や果物、肉、魚、いろんな食べ物がとてもキレイに並べられていてつい食べてみたくなります。果物がおいしい土地なのか、いろいろなジュースがとても美味しかったです。

    その後はみんな寝ていないし少し遅いのでスーパーで買い物をしてホテルに帰ることに。
    スーパーに行ってみると、これがまた美味しそうなんですね。あんなものもあるこんなものもあると、すっかり興奮してしまいました。誰が食べるんだ位に買い込んだのでタクシーで移動する事に。
    僕らの乗ったタクシーは運ちゃんが欲を出して遠回り。ボラれましたが、そこは小野田先生と小松トラベルの活躍で解決。やっぱり言葉が通じない外国なんだなと思わせる一件でした。

    ようやくホテルに帰って一段落。三浦先生はさらに岡村さんたちとお話しをされていたようですが、僕は部屋に帰ってダウンしました。

    3日目につづく

    山本明

    10月2日から視診触診、連動の体得などをはじめ、操体に必須のスキルを学ぶ、
    操体法東京研究会2010年秋季集中講座(全10回)を行います。
    11月20、21日千駄ヶ谷津田ホールにて2010年秋季東京操体フォーラムが開催されます。
    2010年8月、社団法人日本操体指導者協会を設立しました。