四日目

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『一般に五感と呼んでいる基礎感覚の「視・聴・嗅・味・触」は、主として外界の情報を受け容れるものである。そのために感覚とは自分の「外界に向っているもの」という強い先入観ができている。私は感覚の本質とするものは、むしろ自分の内側に向かうもの、すなわち内界の情報を受容することにあると思う。自分自身とは、皮膚をふくめてその内側の中身だからである。中身の状態を知ることが先ずあって、はじめて、自分が生きるために必要な好ましい対象を外界に見つけて、それに接近し、それを取り入れ、生きるために好ましくない対象を外界に発見して、それから遠ざかる生の営みが行なわれる。』

「原初生命体としての人間」(岩波現代文庫)260P